コルディリェーラの棚田群はフィリピンで5つある世界遺産のうちの一つで、フィリピンのルソン島北部の中央山岳地帯の主に東斜面に広がっている棚田地帯です。棚田の全長は20,000キロを超えるともいわれ、その美しい風景は「天国への階段」とも言われています。
2007年、NGO/ビジネスのオーナーの依頼で、通訳兼現地への旅の調整でフィリピンのイフガオ研究者とともにこの地を訪れました。訪問目的は、プロジェクトのフィジビリティ調査です。
マニラからバスで北へ向かうこと10時間、バスから下車してからはトライシクルで1時間、長旅を終えて下車するとこの天国への階段が目の前に広がります。
山岳民族、イフガオが守り続けてきたこの地は、観光化によって変化を余儀なくされています。長年守り続けてきた田んぼを放棄し、ツアーガイド、ポーターとして働くもの、民宿を経営するものも居ます。
地元の観光化が現金収入を得られる一つの道として受け入れられつつも、特に海外からの観光客へのオーバーチャージ、観光客が横切る個人の土地の問題、また、シャーマンは観光客用に儀式を披露したり、本来は神聖な行事以外では行われなかった儀式が頻繁に行われるようになり、それらに霊性を感じることはないなど、全てにおいて商業化されてしまったことを懸念する声が聞かれます。また、田んぼ自体も50センチほどのミミズがおり、石積みの棚田の崩壊を助長していると聞きました。
観光客が来ることでこれまでの緩やかな時の流れが速くなり、急激な変化が進んでいます。変化を避けて、滅びゆくのを待つのか、変化を受容して生き残っていく行く道を探すのか。年長者の苦渋が見えます。
調査と言っても、今回は依頼者も初めて訪れる土地、地元の人の話を聞きながらもなるべく見れる限りのものは見ようという詰め込みの旅で、アップダウンを筋肉痛になるほど歩きました(単なる私の運動不足なのでしょうが)
調査期間中に村のリーダー選出の儀式が行われるということで、現地のガイドの案内のもと山中に奥深く分け入り、儀式を見学させて頂きました。地元の酒を酌み交わした後、山で採れた豚を皆で丸焼きにして食べ和気藹々でしたが、始まる時間が既に遅く、夕食を頂くころにはとっぷりと日が暮れていました。
ガイドが居るとはいうものの日暮れの下山は避けたほうがとアドバイスするものの、現地のガイドが居るからと皆安心モード。やはりというべきか、まさかというべきか帰り道、道が暗いためガイド道に迷ってしまいました。おまけに私を除いて誰も懐中電灯、あるいはそれに類するものを持ってきておらず、更に振る舞われた強い酒に酔っており、数人は足元がおぼつきません!
で、結局私がガイドさんの足元を照らしながら、道ならぬ道を行くことに。一時間弱ほど歩いて、コミュニティの入り口が見えた時には本当にほっとしたのを覚えています。
そんな冒険もあり、棚田の美しい風景よりも印象に残ったのは何とも道に迷ったエピソードでした。いやはや。
日暮れの下山は、絶対おススメしませんが乾季の棚田は美しいもの。移動日を含めて4~5日の旅で、マニラの喧騒に飽きた人たちはフィリピンの美しい自然を堪能してほしいと思います。
2007年、NGO/ビジネスのオーナーの依頼で、通訳兼現地への旅の調整でフィリピンのイフガオ研究者とともにこの地を訪れました。訪問目的は、プロジェクトのフィジビリティ調査です。
マニラからバスで北へ向かうこと10時間、バスから下車してからはトライシクルで1時間、長旅を終えて下車するとこの天国への階段が目の前に広がります。
山岳民族、イフガオが守り続けてきたこの地は、観光化によって変化を余儀なくされています。長年守り続けてきた田んぼを放棄し、ツアーガイド、ポーターとして働くもの、民宿を経営するものも居ます。
地元の観光化が現金収入を得られる一つの道として受け入れられつつも、特に海外からの観光客へのオーバーチャージ、観光客が横切る個人の土地の問題、また、シャーマンは観光客用に儀式を披露したり、本来は神聖な行事以外では行われなかった儀式が頻繁に行われるようになり、それらに霊性を感じることはないなど、全てにおいて商業化されてしまったことを懸念する声が聞かれます。また、田んぼ自体も50センチほどのミミズがおり、石積みの棚田の崩壊を助長していると聞きました。
観光客が来ることでこれまでの緩やかな時の流れが速くなり、急激な変化が進んでいます。変化を避けて、滅びゆくのを待つのか、変化を受容して生き残っていく行く道を探すのか。年長者の苦渋が見えます。
調査と言っても、今回は依頼者も初めて訪れる土地、地元の人の話を聞きながらもなるべく見れる限りのものは見ようという詰め込みの旅で、アップダウンを筋肉痛になるほど歩きました(単なる私の運動不足なのでしょうが)
調査期間中に村のリーダー選出の儀式が行われるということで、現地のガイドの案内のもと山中に奥深く分け入り、儀式を見学させて頂きました。地元の酒を酌み交わした後、山で採れた豚を皆で丸焼きにして食べ和気藹々でしたが、始まる時間が既に遅く、夕食を頂くころにはとっぷりと日が暮れていました。
ガイドが居るとはいうものの日暮れの下山は避けたほうがとアドバイスするものの、現地のガイドが居るからと皆安心モード。やはりというべきか、まさかというべきか帰り道、道が暗いためガイド道に迷ってしまいました。おまけに私を除いて誰も懐中電灯、あるいはそれに類するものを持ってきておらず、更に振る舞われた強い酒に酔っており、数人は足元がおぼつきません!
で、結局私がガイドさんの足元を照らしながら、道ならぬ道を行くことに。一時間弱ほど歩いて、コミュニティの入り口が見えた時には本当にほっとしたのを覚えています。
そんな冒険もあり、棚田の美しい風景よりも印象に残ったのは何とも道に迷ったエピソードでした。いやはや。
日暮れの下山は、絶対おススメしませんが乾季の棚田は美しいもの。移動日を含めて4~5日の旅で、マニラの喧騒に飽きた人たちはフィリピンの美しい自然を堪能してほしいと思います。
スポンサーリンク
スポンサーリンク
0 件のコメント :
コメントを投稿