オランダでの出産ー知っておくべきこと【文化・ルール】

数か月、オランダで妊婦をした結果、日本とオランダ、改めて、いろいろと異なるのだなぁと実感しました。そして、出産もしかり。そりゃそうだ・・・

オランダでの出産、知っておくべきこと
オランダで出産する場合に知っておくべきこと

1. カードの準備

もちろん、インターネットは普通に普及しておりますが、オランダ人、手紙・はがき・カードのやり取りを結構しています。友人が出産した時も、「生まれました」というカードが来ましたし、私自身も友人におめでとうメッセージを送りました。
友人から送られてきたカードには、赤ちゃんの名前、身長、体重、自宅の住所、いつ訪問してよいか、電話番号なども書かれています。
我々は外国人なので、どうしようか迷いましたが、オンラインで送ることとしました。そのため、出産前からカードを準備しました。

赤ちゃんの誕生を知らせるカード
赤ちゃんの誕生を知らせるカード



2. 近所に赤ちゃんの誕生を知らせるボードの設置

オランダでは、出産は、「the stork has visited(コウノトリが訪れた)」とされ、おめでたいこと、皆に知らせるものという考え方があるようです。そのため、オランダでは、親しい人にカードを送る他、出産を知らせるボードを家の玄関周辺に置く習慣があります。ボードのデザインはいろいろありますが、コウノトリをあしらったもの、性別がわかる赤ちゃんの形をしたもの、アニメのキャラクターなどで、遠くからでも、出産がわかるような結構目立つボードです。
ボードだけという場合もあれば、ボードに赤ちゃんの名前、体重、身長、生まれた日まで書かれたものがあります。このボードは購入することもできるそうですが、レンタルも可能とのこと。
赤ちゃんの誕生を近所に知らせるボード
赤ちゃんの誕生を近所に知らせるボード(イメージ図)・・・結構派手です。


3. 胎盤をどうするか決めておく

妊婦や家族の意向を汲みとったBirth Planなるものが作られますが、その時に聞かれるのが、胎盤をどうするか?ということ。胎盤とは、子宮内に形成され、母体と胎児を連絡する器官で、妊娠を継続させ、赤ちゃんの呼吸、栄養、排せつをサポートし、赤ちゃんを有害な物質から守る器官。主産時には、直径約20~30cm、厚さ2~3cm、重さは500~600g程にもなるそうです。とても大切な役割を担っていることは言うまでもありませんが、実物の写真をみると、かなりグロテスクです。なので、これをビニール袋に入れて、お持ち帰りどうぞ!と言われてもかなり困ってしまいそうです。
実際持ち帰る人はどうするか・・・ということですが、庭に埋めて植物の肥料にする・・・とか、ペットに与える!(感染症とか、大丈夫なのかなぁ・・・)とかのようです。

胎盤
胎盤
(c)看護roo


4.ビスケットにトッピングされたムイシェ(Beschuit met muisjes)の準備

ムイシェとは伝統的なオランダのパンやビスケットのトッピングで、アニスの種を着色された砂糖でコーティングしたものです。(muisjesは商品名とのこと)オランダでは、赤ちゃんが生まれたときにムイシェ(muisjes)をラスクの上に乗せて食べる習慣があります。
ムイシェに入っているアニスは豊穣を象徴しており、授乳を促し、子宮を元の大きさに戻すと考えられていました。出産後、お客さんが自宅を訪問した場合や、同僚ににふるまうものだそうです。男の子の赤ちゃんなら、青いムイシュ、女の子である場合はピンクです。
Beschuit met muisjes AH (c) AH
muisjesのは、商品名!
Beschuit met muisjes AH (c) AH

5.役所への届け出は3日以内に!

法律では、赤ちゃんが生まれたら、3日以内に公式に報告しなければならないことになっています。日本では、出生の日から14日以内(国外で出生したときは3か月以内なので、オランダの場合は少々早め。この報告は、親または出産に立ち会った誰かが行うことになっています。赤ちゃんには、出生証明書とBSN(burgerservicenummer/所謂マイナンバー)が発行されます。

6.名前は自由に決められない

当たり前と言っては、当たり前ですが、子どもの名前について、まったく自由に決めてよいわけではないようです。政府のウェブサイトによると、汚い言葉や、子どもを嘲笑するような名前はいけないとされています。また、窓口の担当者は、その名前がふさわしくないと判断した場合、受け取りを拒否することができるそうです。これは、日本でも命名権の濫用を根拠に拒否することができるので同じです。

7.姓の決定

子どもは母親か父親のどちらかの姓を名乗ることができますが、両方を名乗ることはできないそうです。どちらかの苗字に決められない場合は、自動的に苗字が決まってしまう場合もあります。結婚しているカップルであれば、父親の苗字となります。未婚の場合は、母親の名前となります。
また、オランダならではの事情として、同性の両親の場合はどうするのか、ということも政府のウェブサイトに明記されています。男性同士のカップルの場合、どちらかの姓を選ぶことができます。2人目以降は、最初の子どもと同じ姓が与えられます。養子縁組を正式に行う際には、裁判所で子供の姓を選択します。女性同士で、受精(ドナー情報)法に基づく匿名の精子提供によって妊娠した場合:子どもには共同母の姓が与えられます。これは、子供が生まれたときに、共同母が自動的に子供の合法的な親になる場合にのみ適用されます。両親は、実母の姓を選択することもできます。子どもが既知のドナーによって妊娠され、共同母が子供を認知している場合:子供には実母の姓が与えられます。両親は、姓選択宣言書に署名することで、共同母の姓を選択することもできます。

8.産前産後休暇

妊娠中の従業員は、6週間の妊娠休暇(出産予定日前)と、少なくとも10週間の出産休暇(出産後)を取得する権利があり、合計で少なくとも16週間の休暇を取得する権利があります。場合によっては、産休が10週間より長くなることもあります。例えば、以下のような場合です。
  • 従業員が出産前に6週間未満(ただし4週間以上)の妊娠休暇を取得した場合。出産後に残りの分を産休に追加することができます。
  • 出産予定日を過ぎてから出産した場合。その従業員の出産休暇は、実際の出産後に開始されます。したがって、合計は16週間より長くなる可能性があります。
  • 多胎妊娠の場合、従業員は少なくとも20週間の休暇を取得する権利があります。また、出産手当金を受け取る権利もあります。
これは、日本と大きく変わりないようです。しかし、産休は日本よりも取得しやすいかも・・・

日本とあまり変わらない部分もありますが、ボードを準備する・・・というのは、あまりやらないので、これは、どうしたものかと思案してしまいます。しかし、ここはオランダに習って、玄関側の窓をデコッてみようかなぁと考えているところです。

参考ウェブサイト

What should I bear in mind when choosing a given name for my child?

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