フィリピンの滞在を楽しむには(1) :ジプニー(Jeepney)を乗りこなす

ジプニー、またはジープニー(Jeepney)はフィリピンの乗合バス。フィリピンに出かけたら誰もがかならず目にする乗り物です。ジプニーは、第二次世界大戦後にフィリピン駐留アメリカ軍払い下げのジープを改造して製作されたのが始まりで、 Jeep と北米で乗合タクシーを意味する アメリカ英語: jitney との合成語として jeepney と呼ばれるようになったと聞きます。

King of the road!といわれたジプ二ー。
ジプニー正面から



車体は小型貨物自動車から作られ、2~4トントラックのエンジンとシャシを使用し、ステンレスボディで作られます。ジプニーの持ち主がデザインを決め、そして車内こだわりのデコレーションを施すため一台として同じデザインはないと言われています。
知り合いの運転手さんは、自分の娘の写真をスプレー画にし、プレートには奥様の名前を書いていました。あとは、フェラーリが好きなので、フェラーリも娘さんの絵のとなりに並びます。不思議なコンビネーションの絵はこうして生まれたのだと知ります。

面白いペインティングを見かけるとついつい見入ってしまいます。お気に入り柄は、スポンジボブが前面に施された黄色いジプニーでした。

フィリピンのマニラから車で1時間ほど南に向かうとラスピニャス(Las Pinias)という市があります。ラスピニャスは竹でできたパイプオルガンがある場所で有名ですが、ジプニー製造工場がある場所としても知られております。

ジプニー乗り方

ジプニーの乗り方は、慣れるまでなかなか難しいのですが、乗りこなせるようになるとなかなか楽しいものであります。特にフィリピンの田舎町などでは、ジプ二―がある種社交の場になっており、特に旅行者は地元の人と話をするよい機会となるでしょう。

1. 目的地の確認

助手席(右)にはコンダクターが座り、運転手の代わりに
乗車運賃を受け取ることも

フロントガラスに小さなプレートがありそこにメインの行き先が書かれているのでそれを確認し、また車体の横にも経由地が書かれているためそれをチェックします。ジプニーは至るところを走っていますが、基本的には登録された場所を走っています。そのため目的地が同じであっても通るルートは様々です。

例えば、「Cubaoクバオ」-ケソン市で近年開発が進み、電車(マニラ市からケソン市を横断する)LRT2とMRT(パサイ市からマカティを通り、ケソン市にまたがる路線)が交差する-に向かうジプニーをアテネオ大学があるカティプーナン駅周辺から利用しようとした場合、同じクバオでもルートや最終的な停車場所が若干違います。

例えば、プレートにCubao-AliMallとCubao-Edsaの2種類がありますが、同じくバオでもルートが異なり、通過する場所や目的地がことなります。クバオは周辺地域一体を指していいます。Cubao-AliMallとある場合は裏路地を通って、最終的にはAliMallというショッピングモールに到着です。Cubao-Edsaはメインの道を行き、電車の駅(LRT2駅のクバオ駅)を通過します。

そうはいうものの地名に慣れるまではなんのことかわからないと思います。そんな時にはドライバーさんに道を聞くのが一番。
「Dadaan po ba ito sa <地名>?」 意味:〈地名〉は通りますか?
更に、どこで降りたら良いのかわからない場合は運転手さんの真後ろに席を陣取って、
「Pakihinto po sa <地名>」意味:〈地名〉で止めてください。
 とお願いします。そうしたら、運転手さんその地名で車を止めてくれるでしょう。

2.座席の確保

ジプニーは大体16~20名掛けのサイズのものが多く、左右に十人ずつ席を詰めて座ります。とりわけラッシュアワーや学校の近くの路線などはいつも混んでいるためきっちり人が座っている場合がほとんどです。慣れるまでは、「そんなにくっつかないでくれよ・・・」と心の中で思うかもしれませんが、そんなものかと慣れるまでにはそれほど時間はかからないと思います。

後から乗ってきた人のために席は前に移動してあげるのがよいでしょう。また、すぐに降りる場合は出口のそばに座るのも手です。その場合は、お年寄り、子ども、妊婦さん、荷物を持っている人が乗ってきたら手を貸してあげるのが人情です(笑)

3.料金の支払い

料金は初乗り(約4キロ?)は7~8ペソです。料金は原油価格で変動し、新聞にて発表され、ジプニー内部にも初乗り料金が表示されます。支払うときには
「Bayad po、〈地名〉」意味:〈地名〉までのお勘定です。

と言ってお金を近隣にいる人に手渡し、運転手までて渡るようにします。リレーのようなものです。知人の文化人類学者が、途中でお金をくすねる人がおらず必ずお金が運転手に渡るシステムが面白いと言っていました。確かに、乗車運賃が人から人へと渡っていく姿は面白いものです。

長く乗る場合は、勿論それに応じて料金がかかりますので、わからない時には20ペソを渡して、行き先を言っておつりがくるのを待つ、あるいは
貸し切りジプニー
イベント用貸切ジプニー、屋根に取り付けているのは子どもた
ちの荷物。こうすることで、車内が荷物に占領されずに済みま
す。しかし、3~4時間の道のり、落ないといいのですが。
「Magkano po, <乗った場所>、papuntan〈行き先〉」意味:〈乗った場所〉から〈行き先〉まではいくらですか?
と聞くのも良いと思います。

4. 降りるとき・車の止め方

ジプニーを止めたい時には、ジプニーの屋根を叩いて、
「para po」意味:止めてください。
というのが一般的ですが、どちらか一方だけ(屋根を叩く、あるいは声を×)でも止まってくれたりします。止めるタイミングが分からず、安全のため歩道橋で止めて欲しい場合は
「Sa tabi lang po ng footbridge」意味:歩道橋の脇に止めてください
と具体的に停車場所を指定するのがよいでしょう。ジプニーが停止できない場所、交差点の角や大きな道路などありますが、大抵の場所で止めることが可能です。

ジプ二ーに関するドキュメンタリー

ジプニードライバーの生活を追ったBBCのドキュメンタリー「Toughest Place to be a...
」は必見です。2012年の放送と数年前のものですが、今見ても古さは感じられません。

ドキュメンタリーを通じて毎日、排気ガスと騒音の中を走り抜けるドライバーたちの素顔が見えることでしょう。ドライバーは、ジプニーを所有している人もいればレンタルしている人もいます。

一日のレンタル代の詳細はわかりませんが、ディーゼルが1リットル約45ペソ(90円)として、お客さんが払う乗車運賃が溜まったら、ガソリンスタンドで給油します。その日その日の稼ぎを運営費用としてあてているパターンが多いと聞きます。

全ての経費を差し引いて日に約600ペソ(約1,200円)ほど稼ぐと言われています。現在の最低賃金がマニラで恐らく500ペソ前後ですので、それよりはよいということと、現金がすぐに手に入るということで、運転手の年齢層はかなり広く、また時に若者が友人同士でジプ二ーを運営(一人がドライバー、もう一人がお客さんからお金を集めるコンダクター)。

貸し切りジプ二ー

ジプ二ーはフィリピン人の生活の一部。家族イベントにジプニーを貸し切ってビーチへ、結婚式会場へ、お引越しになどという話も結構聞きます。著者も家族が多いため、家族イベントはジプ二ーの貸し切りです。時にお客さんを乗せずに走っているジプ二ーを見たら、それはレンタルである可能性が高いです。

一日貸切で約2,500ペソ~(5,000円~)。一日レンタルの方が実入りは良さそうですが、毎日その機会に恵まれる訳ではありません。

外国人から見たジプ二ー

フィリピン人にとってジプニーは生活の一部。滞在当初、著者は排気ガス濛々の道を走り抜けるジプニーは大気汚染と健康を害する乗り物として敵視、それでいてカラフルな作りと激しい人の乗り降りを見ながらかなり好奇心をそそられました。なんて面白そうな乗り物なのだろうと。

何でも試してみたくなる性分、滞在一週間も立たない何もわからない時でしたが、好奇心には勝てず乗ってみることにしました。それも一人で。挑戦するまではよかったのですが、あまり土地勘がないのと同時に止め方を忘れてしまい、さっぱり知らない場所で下ろされたことがあり、途方にくれたのを今も覚えています。その後は別のジプニーを見つけて何とか目的地に行きつけました。

ジプニーにまつわる話は沢山ありますが、フィリピンの滞在をめいいっぱい楽しむにはやはりジプニー乗車は欠かせないと思います。

フィリピンの滞在を楽しむシリーズ

フィリピンの滞在を楽しむには(1) :ジプニー(Jeepney)を乗りこなす
フィリピンの滞在を楽しむには(2) :マニラでタクシーを上手に使うフィリピン, 滞在のコツ
フィリピンの滞在を楽しむには(3) :マニラに到着、空港はどんな場所?フィリピン, フィリピンの交通機関, 滞在のコツ
フィリピンの滞在を楽しむには(4) :宿泊場所を探すフィリピン, 滞在のコツ
フィリピンの滞在を楽しむには(5) :マニラ一日観光ご提案その1フィリピン, 観光
フィリピンの滞在を楽しむには(6) :ビザの更新その1フィリピン 

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