[映画]UnTrue (それぞれの記憶)、ジョージアがロケ地のフィリピン映画

昨年のちょうど今頃、ジーグリッド・ベルナード(Sigrid Andrea Bernardo)監督と、俳優のシアン・リム(Xian Liam)とクリスティン・レイエス(Cristine Reyes)、一同がジョージアにロケのため滞在し、制作された映画「UnTrue(邦題:それぞれの記憶)」がいよいよ2020年2月19日にフィリピンで公開されます!


サイコ・スリラー。ジョージアという異国で、孤独の中で出会ったフィリピン人移民のマーラ(クリスティン)とホアキム(シアム)。恋に落ち、お互いのことをよく知らぬまま、結婚するのだが・・・。

東京映画祭2019で発表された作品

同映画は、東京映画祭の期間中に、国際交流基金アジアセンターにより実施される、アジア映画特集シリーズ「CROSSCUT ASIA #06 ファンタスティック!東南アジア」として上映されました。同企画は、アジアの新進気鋭の監督の作品、あるいはアジアの今を象徴するような作品を選び上映されました。

UnTrueがなぜ今時のアジアか?

今時のアジア、特にフィリピンを象徴する点が2つ含まれています。まず、心の問題について。フィリピンでも、近年になりようやく心の問題が多く取り上げられるようになり、その啓蒙活動も進みつつあります。この問題を含めた映画を取ることができないのかと、監督は考えたようです。

そして、移民について。フィリピン人の人口の約10%が海外にいると言われています。移民の理由は、キャリアのため、家族を養うため等です。映画の主役の2人もフィリピン人の移民です。移民の生活は孤独です。既婚者(フィリピンに妻子/夫子を残している)が、孤独の故に、婚外関係を結ぶという話もよく聞かれる話です。映画の主人公は二人共独身ですが、寂しさ故に、早急に関係が結ばれ、後々の関係がうまくいかないということも聞かれる話です。

なぜジョージアで撮影?

これまで、様々な映画で、海外で撮影された、フィリピン人移民を主人公とする映画はありましたが、その多くはアジア、あるいは、フィリピン人移民の多い、スペイン等でした。では、今回なぜジョージアなのか?

アジアとヨーロッパの間というユニークなロケーション、また地球上に残された数少ない、フィリピン人が少ない場所。フィリピンは1億1,000万人の人口を有し、ジョージアの約5倍である一方、ジョージアの人口はわずか400万人という土地柄の故とのことでした。

低予算ながら奮闘!

低予算の映画であるため、様々な工夫が必要でした。まず、撮影の滞在日数は2週間ほど。また、夜間に照らせる証明がない、あるいは借りるための予算がないため、昼間に撮影して、夜のように見せる調整をしたといわれています。

しかし、予算の低さは、映像技術、俳優の演技、またその役柄にかける意気込みでカバーされています。女優のクリスティンには髪を切って、赤く染めるように指示、そして男優のシアムには約10キロの体重増を要求したのだとか。

クリスティンは、これまでフィリピン映画の中で愛人役が多かった記憶があります。一方シアムは中華系フィリピン人俳優の筆頭として、ラブストーリー、ラブコメでハンサムな男性の役を多く演じてきました。そのため、二人の俳優にとっては、経験したことがない役柄だったようです。



映画のマーラの赤い髪の理由

監督は、映画の撮影に際して、ジョージアを訪問し、フィリピンコミュニティのメンバーと会っています。その時のメンバーのひとりの女性が赤い髪の毛だったので、尋ねると「ジョージア人の女性が赤く染めているので、現地の人たちになじませるため、赤く染めた」と回答。これを映画に取り入れたようです。

これぞ、ジョージアロケ映画だ!

「fast and furious 9(ワイルド・スピード9)」もジョージアがロケ地となりましたが、これは、ジョージアに訪れたことがない人には一見わかりません!そりゃー、ハリウッド映画だから、予算も多い映画で、注目されるのもわかるけど・・・

関連ブログ「ハリウッド映画「ワイルドスピード9(Fast & Furious 9)」ロケ in トビリシで道路封鎖、渋滞、バスの路線変更

「UnTrue(それぞれの記憶)」はジョージアが映画の舞台であることが明らかにわかり、ジョージアの文化が描写されています。その一つがポリフォニー、愛、痛み、死者が歌われています。ジョージアを舞台としているので、もう少し、ジョージアをロケ地とした映画として脚光を浴びてもよいのではと思います。

ベルナード監督は本作品を含め5本目の長編作品を手がけていますが、本作品を除く他4本は、ラブストーリーあるいはロマンティックコメディでした。近年の映画で同監督を有名にしたのが北海道を舞台にした映画「キタキタ(kita kita)」。切ない、おとぎ話のようなラブストーリーです。機会がありましたら、こちらもご覧ください。なお、Netflixでも公開されています。

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参照ウェブサイト

https://www.bworldonline.com/this-girl-is-on-fire/

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