[ジョージア] うげ!ちょっと驚きのカビだらけのワインセラー、Dadianebi訪問

秋は収穫の季節です。ブドウが実り、収穫して、ワインを製造を始めるのもこの時期。そのため、ワイナリーを持つ友人からブドウの収穫、ワインの下ごしらえを手伝うことをお願いされるのも、丁度この秋口です。
ワイナリーDadianebi
ワイナリーDadianebiの内部
そんな時期に旅行したいのが、ジョージアの地方都市。温暖な気候で、ワインの生産地として名高いカヘティ地方!がワインの旅の定番ですが、今回は趣向を変えて、あえてジョージア西部のサメグレロ地方のなんと一面がカビだらけのワイナリーをご紹介します。

教会がワイン作り?

長いワイン作りの歴史を持つジョージアでは、至る所でワイン作りがおこなれています。
その一つが、教会が所有し、修道士が管理する敷地内です。

ワインと教会の組み合わせに「?」と思われる方も少なくないはずですが、キリスト教の聖餐式でワインはキリストの血にたとえられ、また聖書でもブドウ酒の記述が多くあります。教会や修道院は、中世当時、学校や研究所といった役割も果たしており、ワイン醸造の技術を高めました。キリスト教で酩酊は罪といわれいますが、学術的追求ならびに宗教的な意味合いも含め、ワイン作りが行われていたようです。

Salkhinoのジョージア正教会が所有するワイナリーDadianebiはとても特徴的。また、そこで生産されるワインは現時点では市場で広く販売されておらず、地域限定販売。その味に地元民も教会の関係者も太鼓判を押しています。

大量の黒カビに「げ!」

そんなワインを生み出すワインセラーを見学しました。期待に胸をふくらまして内部に入るとなんとそこはカビだらけ。ワインボトルはカビに厚く覆われており、中の液体が見えないほどです。カビの胞子がモコモコと層をつくっており、こんなカビは見たことないです。
ワインの瓶一面を覆う黒カビ
ワインの瓶一面を覆う黒カビ
幅10メートル、長さ35メートルのワインセラーの片側は土壁、もう片方は川に面しているため、内部に湿度がこもり、黒カビを大量に発生させます。約半年で、黒カビは瓶を覆うのだとか。また、夏場も冬場も室温は15℃に保たれているとのこと。
Dadianebiワインセラーの外観
Dadianebiワインセラーの外観
Dadianebiワインセラーの入口
Dadianebiワインセラーの入口

素人な著者は、カビだらけで一体衛生状態はどうなっているのかとビックリしたのですが。きけば、ワインの保存に最適といわれている湿度は70%、室温は15~17℃ほどであるとのこと。カビが発生するということは、ワインの熟成に最適な温度という証拠だそうです。
壁面に並べられているワイン
壁面に並べられているワイン
ワインセラーの奥に高く積まれているワインボトルは、2007年から熟成させているもので、一年に二回修道士がボトルを180度回転させるそうです。つまり、10年もののワインなのですが、こちらは現在は販売されていないそうです。しかし、もし値段をつけるとしたらいくらなのか?と聞いたところ現時点では500米ドルほどとのこと。

ワイン用のブドウと食用のブドウの違い

ワインセラーの周辺には、ワイン畑が広がっています。ワイン用のブドウは大粒の甘いものを想像していましたが、実は違います。ワインで使用されるブドウは、粒が小さく、実と実の間に十分な隙間があるものが好まれ、使用されます。隙間があることで、日の光を沢山浴び、熟成も早く、また病気になりずらいのだとか。
ブドウ畑に囲まれたのどかな風景
ブドウ畑に囲まれたのどかな風景
ワインの独特の渋みは、タンニンによるもので、これを多く含むことで渋みが強く、味や香りが濃厚で、色も濃いワインができるのだとか。そのもととなるのがタンニン。そのタンニンが多く含まれているのが、ブドウの果皮と種子です。

ブドウのイメージ図
ブドウのイメージ図

ご当地限定のワイン

このワイナリーで作られたワインはドライな赤ワイン、Ojaleshi(オジャレシ)というブランド名で、修道会が運営するホテル「Hotel Wine house & L'Auberge Dadianebi」で販売中です。お値段は25ラリ(約1000円)です。
Ojaleshi(オジャレシ)
Ojaleshi(オジャレシ)
Hotel Wine house & L'Auberge Dadianebiのワインショップ
Hotel Wine house & L'Auberge Dadianebiのワインショップ

ワイナリーの場所

Lord Dadianis Palase of Salkhino の敷地内にある教会
Lord Dadianis Palase of Salkhino の敷地内にある教会
このカビだらけのワイナリーは、ジョージアの名門ダ二ア二家が秋に過ごす別荘(Lord Dadianis Palase of Salkhino)がある敷地内にあります。敷地内には教会もあり、中庭ではイベントが開催されています。別荘から教会、ワインセラーは川沿いに位置しているため、川のせせらぎが聞こえ、とても趣があります。
Lord Dadianis Palase of Salkhino の敷地内にあるジョージア正教会
Lord Dadianis Palase of Salkhino の敷地内にあるジョージア正教会内部

ワイナリーは同地域の観光名所、Martvili Canyon(マルトヴェリ・キャ二オン)からも近く、それら観光名所と合わせて訪問するのがよいでしょう。トビリシから少々遠いのですが、車では約4時間の距離にあります。レンタルカーで行くのが簡単ですが、乗合バスや旅行会社のツアーでも訪問できます。

ワイナリー内部見学は、「Hotel Wine house & L'Auberge Dadianebi」で予約可能です。
Hotel Wine house & L'Auberge Dadianebiのダイニング
Hotel Wine house & L'Auberge Dadianebiのダイニング

宿泊場所

Hotel Wine house & L'Auberge Dadianebi
TEL 591 75 57 50
FB winehouesedadianebi
Email winehousedadianebi@gmail.com
インスタグラム https://www.instagram.com/wine_house_dadianebi

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