セカンドハンドSecond-hand(お古)でエコに生きる

セカンドハンド(second-hand)とは、中古やお古と言った意味です。オランダには、こうしたセカンドハンドのストアや、オンライン上のマーケットも身近にあり、多くのオランダ人および移民に利用されています。これらを上手に利用することで、かなりエコ・・・エコロジー(環境にやさしく)で、エコノミー(お財布にやさしい)に生活ができると思います。

勿体ない精神にあふれた国

オランダ人はケチという話はよく聞き、ブログ「[書籍] オランダ人はポリシーあるケチ?「物語オランダ人」を読んで」を読み、社会や人々を観察しながら、実際のところ本当のように感じますが、別の言葉で言うならば、使うべきこと(NGOや慈善団体への寄付)、使いたいことにお金を使い(夏の旅行)、その他に関しては、倹約するというように、賢くお金を使っていると考えることもできます。
こういうオランダ人の倹約習慣を反映しているのか、セカンドハンドストアや、家でいらなくなったものをやり取りするオンラインプラットフォーム、SNS、道に投棄された不要物を拾う人の姿もあります。

セカンドハンド・ストア(リサイクル店)

私の家から周囲約1キロ以内に、大中規模のリサイクルショップが4件ほどあります。これは偶然にもそういう地域に生活しているから、とも言えますが、日本で生活していた時には、こうした店はあったものの、これほどの数ではなかったように記憶しております。

日本のリサイクル店との違い

オランダのリサイクル店、少なくとも私が生活した/している町で取り扱っているものは、家具、衣類、書籍などがメインです。日本のリサイクルショップとの違いは結構あるように思いますが、大きく4点挙げたいと思います。まず、商品の状態がそれほど良くないこと。日本のBOOK-OFFのような書籍で独立したリサイクル店がないこと、洗濯機を除いて家電等取扱は極めて少ないことあるいは、そのための独立したセカンドハンドのストアがあること、そして店内が雑然としていることです。日本の整然と並んだ、セカンドハンドストアが懐かしいです(笑)

日本だとセカンドハンドでも商品の状態はきれい、あるいは最低限の手入れはしてありますが、ここオランダでは、どこからか持ってきた商品を店頭に陳列しているだけ・・・という印象です。埃をかぶっているということもただあります。
書籍は店内の一か所に言語ごとに陳列しているだけです。書籍のみを取り扱っているわけではないので、ジャンルに分けられるほどありません。たいていのセカンドハンド・ストアには、オランダ語(大多数)、ドイツ語、英語(ちょこっとだけ)の書籍があり、その他の言語の書籍は稀です。家電は洗濯機以外見かけたことがないと思いますが、どれほど使い込まれたのかは謎であることから、あまり買い手がいないようにも思われます。雑然とした店内は、必要なものを探すのには一苦労です。店によってはすべての商品に値付けがされていないため、それらを少ない店員を探して聞かねばならないことは大変な苦労です。

オンライン上でのプラットフォーム

marktplaats(マークトプラーツ)

オランダで人気のセカンドハンドを売買するウェブサイトは、「marktplaats(https://marktplaats.nl/)」で、オランダ語では、「市場」という意味です。1999年から始まったオランダで人気のサービスです。ここでは、実際のストアで取り扱われる以上にいろんな商品が扱われています。楽器、本、家電、車、キャンピングカー、貸家、ゲーム・・・送料は購入者負担です。いろんなものが扱われているのがよいところですが、代金と送料を払ったのに、商品が届かないというトラブルも発生しているとのこと、利用には注意が必要なようです。

Facebook(フェイスブック)のグループ

Facebookで、中古商品を扱う地域ごとのグループがあります。ここでは、譲りますという無料のものから、中古品として販売しているもの、また様々な物品がオンライン上に展示されています。多いものは、家具で、特にIKEA製品が多い印象を受けます。(IKEAの50€相当の家具を30€の値段で販売しようとする人もいます。つまり、元を取りたいという意図が見え見えなのですが、値段と商品の質のバランスのうんざりすることもしばしです。)
値段の提示が原則ですが、「値段はそちらが決めてください」といった、販売者もいます。原則は、購入者による引き取りですが、追加料金(10~20€)を払うことで、販売者が家まで届けてくれることがあります。

キングズデーのフリマ

ブログ「国全体がオレンジ色になるオランダ最大のお祭り「王の日(King's Day/Koningsdag)」どのように楽しむか?」にも書きましたが、国民の祝日、王様の誕生日には、所定の場所でフリマが開催されます。そこでは、家での不用品なども、販売されるので、何かお目あてのものがある人は朝一番にフリマに出かける!という話も聞きます。衣類、家具、食器等がメインですが、商品が政府が定めた通りに所せましと並んで、見ごたえ満点です。不用品を売り払って小金を得ようという動機もさることながら、人とのやり取りを楽しんでいる一般人が多いように思います。

オランダ、キングズデー、フリマ
オランダ、キングズデーでのフリマの様子

道端に捨てられたものを拾う

オランダには、引っ越し時に家具などを捨てていく人もいます。もちろん、ごみとして、市に要請して、粗大ごみとして処分してもらうように要請することは必要ですが、投棄者が投棄したあと、ごみ回収者が車で放置されているものは、拾っていく人もいます。これに対して、咎めはありません。
実際、向かいの家が引っ越した際に、処分する家具が並べられていましたが、一晩のうちで、近隣住民が引き取り、ごみとして処分される家具のボリュームはかなり減りました。

スワッピング

中古の古着を交換するスワッピングは、コロナのパンデミックの前はたびたびおこなわれていました。飽きてしまった服、サイズ・アウトして着れなくなってしまった服等とほかの人の服を交換するというものです。主催者、やり方は様々ですが、以前東欧のジョージアで生活していた時は、エコを推奨し、エコグッズを販売するお店がホストとなって開催されたり、オランダでは、北欧の大使館がその大使館の建物を使ってスワッピングが実施されたことがありました。
私の場合は、古着を頂くことがたびたびあったのですが、いただいた服が大きすぎることがただあったので、それらを持ち込んで、自分の体のサイズにあった服に変えていました。

新しいものではないといけないとは考えないことのよさ

オランダ人は、ケチと言われますが、まだ使えるものを安く引き取って、あるいは無料でもらって、賢く資源を使い、エコな生活をしていると感心します。もちろん、この国の税金がやたら高いので、節約するところは、節約したいという気持ちはよくわかります😓

セカンドハンドは、誰が使ったのかわからないから、汚い、気味悪いという人もおり、理解はできます。実際、あまりきれいじゃないと感じるセカンドハンドの商品を見ることがあります。しかし、実際、まだまだ使えるものが多く投棄されていることを実感します。さらに近年は、安価な商品を追求するあまりに、長期利用に耐えない商品も多くあります。
こうした大量生産と大量消費の文化は、嬉しいことに、見直されつつあります。そして、オランダでは、こうした文化が根付いており、これは、大いに見習いたいところだと感じます。

エコ生活を楽しむ

個人的には、このオランダ的セカンドハンドの文化を気に入っています。思えば、幼少期からセカンドハンド(お古)に触れて育っていたからなのですが・・・現在、出産準備をしていますが、友人が使わなくなったベビーベット(ほぼ新品!)、揺りかごなどをくれたりするため、とても助かっています。特に、ベビー用品は、赤ちゃんの成長とともにいらなくなるものが多いので、それに合わせてすべて新調していたら、お金がいくらあっても足りません。
もちろん、出産なんてめったにないことなのだから、新しいものを買ったらいいのに!と言われてしまいそうですし、ベビー用品を買えないほどお金に困っているわけではないのですが(笑)あるものを使う、そしてそれに対して恥ずかしいと思わない文化があるというのは、いいことだと感じています。オランダのリサイクル/エコな生活を楽しんでいます。

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