実際どうなの?フィリピンで英語留学ー英語留学を検討する際に考えるメリット・デメリット

なんとなくわかるけど、英語での会話が理解出来ない。伸び悩んでいる。仕事で英語が必要なのだけど、学ぶ機会がない。どこから手を付けて良いのかわからない。そんな声に答えるべく、フィリピンに短期滞在で英語を学ぶ!という選択肢、そのメリットとデメリットをご紹介したいと思います。

英語の教科書、参考書
英語の教科書、参考書


1.  なぜフィリピンで英語を学ぶのか?

メリット・デメリットを説明する前に少々、そもそもの質問。なぜ、フィリピンで英語を学ぶのか?環境的要因から、以下の2点が考えられます。

1) 英語の広い普及
それはフィリピンにおけるアメリカ英語の広い普及、(多分に個人差はあり、何をもって「なまり」というのは議論がわかれるところですが!)なまりの少なさにあると言ってよいと思います。

人口の約80%が英語を解することができ、教育、宗教行事、出版、ビジネスの場面で多用されております。フィリピンの公用語はタガログ語をベースにしたフィリピノ語という言葉です。(ほとんどタガログ語と同義語になっていますが)そして、もうひとつが英語。フィリピン英語の独特のイントネーションがありますが、全体的に他の国の英語話者の話す英語よりも解りやすいと思います。

2) アメリカ英語をベースにしている
ちなみに、同じ東南アジアで英語ができる国、シンガポール、マレーシアがありますが、これらはクイーンズイングリッシュをベースにしています。そのため、フィリピン人の話す英語は、日本人になじみやすいと思います。著者、シンガポールで生活をはじめたころ、シンガポールイングリッシュに戸惑いました。

2. フィリピン語学学校の形態とメリットとデメリット

日本でよく知られているのは、学校が用意した寮に生活しながら、朝から晩までみっちり英語を学ぶ、所謂「詰め込み式」タイプです。しかし、他にもアットホームな雰囲気の小規模語学学校、大学付属、個人契約のマンツーマンで学ぶ等、様々な形態があります。

2.1. 寮生活型の詰め込み式語学学校

授業の時間は一日6時間から最長(知る限りでは)10時間ほどです。この時間はクラス形式、少人数形式、個別の時間を含めてのものです。

メリットは、以下の4つ。1つめに、初級者からのコースが用意されていること。2つめに初級者に必要な、もっと話して自信を持つ!ということにカリキュラムの重きが置かれていること。3つめに、みっちりのスケジュールで、怠け心が出ないように、毎日学べること。4つめに、衣食住込なので、それらの心配なく勉強に集中できること。

デメリットは、学校の雰囲気に馴染めなかった場合、すでに授業料と寮費を支払っているため、最後まで通わないといけないこと。

スポンサーリンク
 

2.2. 通うタイプの語学学校

上記と比較して少々リラックスできる語学学校。小規模タイプのものが多いです。

メリットは、自分のペースで学びやすいこと。
デメリットは、学校の規模が小さいので教員の層が厚くないこと。そのため、先生を変更したい場合、必ずしも自分にあった教員と勉強できるとは限らないこと。

2.3. 大学の附属機関の語学学校

フィリピンの各大学が語学専門機関/語学学校を有しており、英語教授法を学んだ教員によりクラス形式の授業が行われている場所もあります。これらの機関は非英語圏からのカトリック神父が語学を学ぶ場所として機能していましたが、アカデミックな英語を学ぶ場所としても活用されています。

メリットは、2つ。1つめに、英語教授法を学んだ教員により英語を学べること。文法等に強い教員が多いため、あらゆる質問に答えてくれます。2つめは、全くの詰め込みタイプではないため、空いた時間に自分のやりたいことができるため、インターン等と掛け持ちしながら学べます。

デメリットは、全くの初級者では辛いこと。また、大学付属の機関であっても全ての人が英語教授法を学んで教えているわけではないこと。

2.4. 個人契約マンツーマン英語/家庭教師タイプ

知り合いを通じて、教員を雇うこと。家庭教師のようにして、フィリピンの宿泊先に来てもらう、あるいはカフェなどで英語を教えてもらうこと。

メリットは、フォーカスしたい特定の分野について学びを深めるように、教員にお願いすることができること。また、そのためのカリキュラムで学べること。

デメリットは、中には時間に遅れたり、連絡なしにキャンセルする責任感のない教員もいること。

3. 寮生活型の詰め込み式語学学校のカリキュラムってどんな感じ?

書き、話す、聞く、読むを網羅すべく、授業が組まれています。ただ、レベル毎にそのフォーカスは異なることと、読ませる量が全体的に少ないと感じました。

入学時にレベル分け試験が行われます。試験は、筆記と簡単なインタビュー等です。著者が調べた学校では初級から限りなく上級に近い中級という10段階に分けられ、一月後の試験でレベルが変わる仕組みになっていました。全くの初級から始めた場合には最終段階まで順当に到達するには10カ月ほどかかります。

3.1. 初級者

韓国資本が多いフィリピンの語学学校は、韓国人も日本人も苦手としているアウトプット「話す」というところに力を入れているるとのこと。そのため、特に英語が全く喋れず入学した人は、とにかく慣れるために話させる環境を作っているようでした。

3.2.中級者


基本文法のおさらい、外国人が間違い易い箇所を学んだりします。また、発音は、対象となる生徒の発音特徴から、苦手とする発音を矯正するということも行われます。

個人的な印象ですが、上記の通り、読書の量、英作文の量が少ないことが気になりました。

学校によってはTOEICやTOEFLなどの語学試験などの対策コースも用意されています。

4. フィリピン語学留学のメリット

4.1. 全体的な費用の安さ

費用!欧米圏の留学に比べて各段に安いです。平均費用は1日6~10時間の授業料+生活費+食費込みで一カ月約10~20万円。値段の差は、一人部屋とするか、2~3名の部屋に住むかによってことなります。

欧米圏ですと、一週間で約2万5千~3万5千円(250~350ドル)かかり、別途生活費、食費などがかかります。もちろん、国によって差がありますが、このあたりが相場のようです。

英語留学の節約術
もし、もっと節約をしたいというのであれば、寮で生活せず外で物件を借りてシェアすることで生活費も抑えられると思います。授業料だけですと半額ぐらいになる所もあります。自分自身で宿泊場所を探す場合は、マニラなどの首都圏では、寮生活で数人と部屋を共有する場合は約7,000円~20,000円(食費は別)。食費はそれほど高くなく一食ローカルの食堂で食事をする場合は80円~/1食の選択肢があります。寮などは火の使用を禁止しているところもありますが、自分でコンドミニアム等を借りるのであれば自炊も可能です。

4.2. 英語漬けになれる授業時間の長さ

1日6~10時間、長いところでは12時間という話もきいたことがあります。朝起きて、夜眠るまで英語、英語、英語、というところでしょうか。学校によっては、8時間の授業(スタンダード)にオプションとして個人レッスンやTOIECなどの対策などもできます。
個人的にはやりすぎで、かつ予習の時間がなくなる気がしますが、とにかく英語漬けになれます。

4.3. マンツーマンの時間を多くとれる

大体の学校のカリキュラムを見ると少なくても1日に1~2回はマンツーマンの時間が組まれています。この時間をもっと長くしたい場合は少々お金を多く支払うとそのようなアレンジが可能です。

グループ授業が恥ずかしいという方、そしてもっと話す時間が欲しいという方にはよい制度だと思います。欧米の授業はほとんどはグループと聞きますので、この点はフィリピンでの英語留学の特徴ともいえるのではないかと思います。 

4.4. 先生の熱心さと人柄

先生方は熱心な方が多い印象を受けます。印象論で恐縮ですが、わからないところを質問すると流さず答えてくれます。そして、相手がわかるように指導するように心がけています。

生徒もシビアに●●先生はよいとか悪いとかを噂し合っており、そしてそれが評価に反映されることもあり、先生も職務責任としての必死さとは別に生き残りをかけて必死に生徒に教えています。そして、彼らはフレンドリーです。

なぜフィリピン人はそれほど英語ができるのか?
フィリピンでは英語が公用語となっています。それゆえに、英語ができるのですが、それを支える教育制度があります。アメリカによる統治の影響で、教育制度に英語が盛り込まれています。英語教育はどのような教育を受けるのかによりますが、早くは幼稚園から始まります。小学校の理数科教育も英語、高校生ともなれば日本の大学生以上に英語での会話もできます。小さいころから英語に触れており、その時間が長いというのが大きな理由です。先ほどあげたように、学校教育で英語、そして映画などは字幕なしで公開されていますので、日常的に英語に触れています。

関連ブログ「フィリピン人の英語力とはどの程度なのか?」

4.5. 地理的近さ故の移動費用の安さ

フィリピンは日本(成田)から約5時間。欧米と比べ近い外国です。関西からは4時間ですので、往来が比較的しやすいでしょう。また、時差はたったの1時間です。

そして近年はその地理的近さから、セブパシフィックなどの航空会社が安いチケットを販売しています。運が良ければ、片道10,000円以下のチケットを購入できるということも。気軽とまでは行かないまでも、気負わず行き来できる距離だと思います。

4.6. レジャーが楽しめる

フィリピンは美しい国です。(マニラだけ見てがっかりしないでください)ちょっと地方に足を伸ばすと、まだそこまで観光地化されていない素朴な自然があり、きれいなビーチでゆったりすることもできます。英語の勉強で疲れた時にはちょっと足を伸ばして、比較的安価に旅行できます。

関連ブログ「ビコール地方でバケーション―カラモアン観光
[セブ観光] セブ島観光で絶対はずせない!ジンベエザメと泳ぐツアー、オスロブでのツアーとは?

5. フィリピン語学留学のデメリット

もちろん、いいところだらけではありません。デメリットもあります。

5.1. 先生の当たり外れ

時に英語が問題であると思われる先生が居ます。文法的に正しくない英語、発音が不明瞭で、知識が少ないため生徒の質問に答えられないなど。そういう先生は語学学校で長期勤務はできませんが、当たってしまう可能性も無きにしも非ずです。

マンツーマンの授業の先生に満足出来ない場合は、変更も可能という学校が多いようです。

5.2. 発音

もちろん、彼らはネイティブではありません。なので、ネイティブの英語を学びたいと思っていたら結構がっかりすると思います。発音に関しては、多くは望めません。

個人的には英語は国際語なので多少のなまりがあってもと思いますし、他の国の英語話者に比べてなまりが少ないと思います。

ちなみにフィリピン人は独特の英語の発音をしていますが、小さいころから英語を聞いているため、彼らは私たちに聞き取れない音を聞きとれていたりします。

5.3. 話すスピード

1分間で話す単語数はもちろん全体的にネイディブの人たちより少ないです。ですので、ノンネイディブである彼らのスピードに慣れ、またこのようなものだと思ってアメリカ人やイギリス人と話をすると早すぎてついていけないということも。

5.4. フィリピンの治安が悪い

日本より治安が悪いことは確かです。学校内は安全ですが、一歩外に出ると、少々気をつけないといけません。そういう意味では、なれるまで少々気を張ってしまうかもしれません。

関連ブログ「物騒なニュースが多いフィリピン、フィリピンって本当にコワイ所なのか?


6. フィリピン英語留学でのデメリットをカバーするためにできること

デメリットはあるものの、それでもフィリピンの英語留学は英語漬けになることがない日本人にとって非常に有益だと思います。フィリピンでの英語留学を最大限いかすために、語学学校の学習と並行して行いたいのが以下のこと。

6.1. 耳を鍛えるためにネイティブが登場するニュース、ドラマなどを見る

対策としては、英語のドラマやニュースなどを隙間時間に見る。無料で触れることができる英語教材がインターネット上には沢山あります。ドラマの良さは、会話表現を学べることですが、英語学習の目的が欧米圏などの留学の場合は、インターネットで公開されている大学の授業を視聴するのもよいと思います。

6.2. ネイティブの友人をつくる

そんなのいないよ、と思われるかもしれませんが。リゾート地フィリピン、欧米からの旅行者、ボランティアなどの人たちは必ずいます。

中には怪しげな人もいますので、やたらネイティブだからと声を掛けまくらないように(汗)注意をしたほうがよいと思います。もしくは、近年できたネイティブによるオンラインサービスを探し、利用することも有効なのではないかと思います。

6.3. とにかく読む

日本人は比較的読み書きは得意と言われていますが、ネイティブの自然な英語に慣れるにはかなり英語で読まねばなりません。

フィリピン滞在時などはフィリピンの全国紙を読むことをおすすめします。とはいうものの、結構難しい単語で書かれていることが多いので、文化面の記事などからチャレンジしてみるのがよいかと思います。政治の記事は難しい単語が使われているので、レベルが上がってきたら読むとよいと思います。

更に、フィリピンの書店では英語のペーパーバック等が購入しやすいため、自分のレベルにあった小説、フィクションなどを選んで読んでみるのがよいでしょう。

関連ブログ「名探偵コナンの緋色シリーズのタイトルの由来シャーロックホームズ「緋色の研究(A Study in Scarlet)」を英語で読もう


セブ島の街並み
セブの街並み
セブにはかなりの数の英語学校がありますが、セブだけではありません。

まとめ

フィリピンで英語を学ぶ!と行った時、「フィリピンなまりの英語を学んでも役に立たない」「治安が悪いからやめた方がいい」「韓国資本の語学学校が多いから、英語を学ばず、韓国語を学んで帰ってくる!」なんて話をされる方も多いのですが、フィリピンの語学学校での英語学習は、初級から中級に移行する英語学習者にはよい学習環境を与えてくれます。それは、上記の説明の通りです。

また、韓国人の人が多いため、韓国語を学んで帰ってくる!なんてことを言う人もいますが、そういう話は聞きませんでした。もちろん、韓国人生徒から、韓国語の挨拶や、日常会話を習うという人もいますが、フォーカスはもちろん英語学習です。

韓国系の学校で日本人が少ない環境に身を置くことで、英語を話して意思疎通せざる得ない状況することができます。韓国人同士で固まることを快く思わない、がちで英語を学びたいと思っている韓国人生徒が、少数者である日本人生徒と友達となりたがっているという話もインタビューを通じて聞くことができました。

いずれにしても、メリット・デメリットを確認しながら、ご検討あれ。そして、もし、留学を決意されたのなら、フィリピンの語学留学がみのり多いものとなりますように。

少々昔のことですが、フィリピンの語学学校の調査をしたことがあるため、ご質問があれば、コメント欄にどうぞ。可能な限り、お答えしたいと思います。

スポンサーリンク

スポンサーリンク

0 件のコメント :

コメントを投稿

Subscribe