もっと詳しく!フィリピン、マニラ(ニノイ・アキノ国際空港:NAIA)ターミナル1の

ニノイアキノ国際空港第1ターミナル、通称NAIA1(ナイア・ワン)は、多くの航空会社がターミナル3に移ったもあとも、未だにフィリピンの空の玄関として機能しています。

しかし、1981年に開港した空港は大きな改築工事もないまま今日に至り、老朽化した施設、快適ではない空間設計、空港までのアクセス、混雑のためアジアの空港ランキングでは軒並み厳しい評価であることも知られています。

ニノイアキノ国際空港第1ターミナル、通称NAIA1(ナイア・ワン)
ニノイアキノ国際空港第1ターミナル、通称NAIA1(ナイア・ワン)の到着から入国、出国、空港の規模と構造、利用の注意点についてご案内

現在、このターミナルには全日本空輸、キャセイパシフィック、デルタ航空、エミレーツ航空、KLM、シンガポール航空を除いたマニラで運航する外国航空会社にサービスを提供しており、18のジェットブリッジがあり、33の航空会社が利用(2011年5月)し、日比間を飛ぶ便の関係から日本人客も頻繁に利用される空港です。到着から入国、出国、空港の規模・構造、利用時の注意点等を説明します。

 到着から入国まで

飛行機を降りてからは、人の流れに乗って歩いていくと、入国審査の場所が見えてきます。
NAIA terminal 1
ターミナル1到着後の様子、みなイミグレーションに向かいぞろぞろと歩いていきます

入国審査

入国審査の審査官のいるブースの上を見ると、様々な表示があります。フィリピン人、海外労働者(OFW)、外国人等があるので、「外国人」という表示がある所に並びます。

時に、他のブースが空いている場合は、審査官の指示で他のブースに並んで手続きを済ませることも可能です。審査官には機内で提出したカードを見せたあと、質問されることもありますが(何日間の滞在であるか?等)、おおよそはそのままパスポートにスタンプが押されます。

空港の荷物受け取りレーン

荷物受け取りレーンは、たいへん混み合っております。日本のようにカートで入れる区域を指定していないため、大きなカートで場所取りをしている人もいます。そのような状況で荷物を取り間違える人もいるので、名前札の確認は必ずしましょう。

無事荷物をとり、特に税関で申告がない場合はそのまま出口にむかいます。しかし、少々勝手が異なるのはここから。

通常であれば、税関のあとはすぐに出口でお迎えの人が待っているエリアがあるのですが、ターミナル1の税関のあとのエリアは狭く、お迎えの人は基本的には入ることができません。

詳細「フィリピン、マニラ(ニノイ・アキノ国際空港:NAIA) ターミナル1-入国までの流れ

空港からの移動

誰かのお迎えがある場合

家族・友人の迎えがある場合は到着ロビーを出て(一度建物の外に出て)、短い歩道を渡り、それから更に緩やかにスロープを下ると、待合ロビーにたどり着きます。さらに、この待合ロビーはユニークで、到着した人と、到着した人を待つための待機ロビーが道を隔てられています。
NAIAターミナル1の待合いロビーを対岸から撮影
看板のABCと見えるのが、待ち合わせの目印となる表示
到着した人々は写真の奥に見える緩やかな坂を下って待ち合わせのロビーに到着します

待合いの知人や友人の待つ場所は、二階建ての小さい(というよりは、ウナギの寝床のような細長いビル)。二階部分にはちょっとした売店やジョリビーがあります。また、一階部分は吹き抜けになっていますが、二階部分は冷房が効いております。

待合い客は待っている家族ないし、友人が対岸のロビーに見えるまで、あるいは確実に近くにいることが分かっている場合にのみ、反対側に渡ることができます。警備員が入り口に立っており、自由に行き来はできません。

待っている家族・友人たちは、待合いロビーにあるモニターで飛行機の到着時間をチェックし、対岸に現れる待ち人を探します。
NAIA ターミナル1の待合いロビー
NAIA ターミナル1の待合いロビー
待合い客の待機する建物の一階部分。

特に待っている人がいるわけではない場合は、公共交通手段を利用して宿泊場所に移動します。待合ロビーで空港タクシーを手配する(待ちあいロビーのサイドに小さなデスクが置かれています)、メーター制のタクシーを捕まえる、あるいは荷物が少ないという場合は、バス亭を目指して歩きます。

タクシーを利用する場合

NAIA1でタクシーは3つ、空港タクシー、白タク、Grabです。空港タクシーは、待ち合わせロビーを降りた場所にブースがあります。ブースの背後に値段表があり、そこに距離と値段が記載されており、それに応じて金額を支払います。著者は、ブースで支払ったケースと、下車時に運転手に直接払った両方のケースを経験していますが、いずれにしてもブースで言われた値段が運転手に支払う額であるため、運転手と交渉せずにタクシーを利用することができます。

税関を出てすぐの場所に待っている白タクが待機していることがありますが、これらのタクシーはかなりぼったくるタイプのタクシーですので、利用はおススメしません。

実は、以前は流れているメーター制のタクシーは、待ち合わせロビーでは捕まえられませんでした。建物から離れた場所、市街に行くバス亭がある周辺か、到着階に上って捕まえなければなりませんでしたが今では待ち合わせロビーで捕まえられるようです。ただ、流しの白タクは、上記に書いたとおり外国人が現地価格を知らないと思い、かなりの高値を言ってくることが多く、値段交渉が面倒であるため、あまりおすすめはできません。

関連ブログ「フィリピンの滞在を楽しむには(2) :マニラでタクシーを上手に使う

ここでおすすめしたいのがUberやGrabなどのサービスです。詳細は、「タクシーはもうやめた!UBERとGrabを使って快適便利なマニラ移動」に書いたとおりですが、空港内のブースでGrabのサービスを利用できるようになっています。

フィリピン、ニノイアキノ国際空港ターミナル1(NAIA 1)からの移動

市街に向かうローカルバス

もちろん、タクシーは高い!ので、ローカルバスを利用するという手段もあります。市街に向かうバスが出ていますが時刻表などはありませんので、バスの到着を待ちます(それなりの頻度でバスはやってきます)。バスの行き先は「Cubao」「Fairview」などの表示がありますが、それらはタフト駅を通ります。ただし、同駅前でバスは停泊できないため、駅から数百メートル前で降りることになりますのでご注意を。ちなみに、エアコンがついているバスの初乗りは12ペソです。
ニノイアキノ国際空港ターミナル1の外
ニノイアキノ国際空港ターミナル1の外、バスが停泊する周辺

どこで降りるのかわからない時はコンダクター(乗車券を販売している人)にあらかじめ、「○○で降りたいから、教えてほしい」というと教えてくれます。

google mapで上から見たNAIA ターミナル1
この図では、出発階と到着階がどうなっているのかわかりずらいのですが、
出発階が上部に、到着階が下層の階に位置しています。

出国ーフィリピンから日本に帰国

タクシーで空港まで

タクシーを利用してNAIA1を利用する場合は、運転手に単に「NAIA1」というだけではなく、「NAIA1 Departure」としっかり告げましょう。NAIA1の出発エリアは、建物の上部。到着階と出発階は行き来できますが、建物の導線が悪い上、エレベーターやエスカレーターがないため、大きな荷物を持っての移動は少々困難が伴います。
NAIAターミナル1の出発ロビーの様子
NAIAターミナル1の出発ロビーの様子(2014年撮影)このエリアに見送りの人は入ることができません

旅行者しか入ることが出来ない空港

出発階の入り口は狭く、建物の中には旅行者(航空券を持つ旅行者のみ)しか入ることが許されていません。そのため、見送りは建物の外まで。海外労働者が多いこの国。家族や一族で見送りということもあるため、見送り客が入れない作りというのは、人の数を制限する意味で理にかなっているのかもしれません。しかし、見送り客がその狭い入り口あたりに集中するため、入口付近は常に混雑し、警備員が常に人の流れを整備しています。

 出発階・チェックインゲートの周辺

空港内部に入るための荷物検査場所が少ないため、いつも入口から長蛇の列ができています。荷物検査、入国審査を終えて空港内部に入ると、建物の古さがひときわ目立ちます。外部・内部含めて建物は前時代的でレトロな様子。実際に古いため、大きな改修工事は予定されていますが、1981年時の様子を今も留めています。

出国審査前の食事はジョリビーで?

チェックイン前に簡単に軽食が取れる場所は、出発階のジョリビーです。出発階にあるため、いつも人で混み合っています。実は、このジョリビーのスタッフたち、本来ならば荷物検査をした人のみしか立ち入れないチェックインロビーにも出現して、注文をとっていることもあります。出発前にジョリビーを食べたいという衝動を抑えきれない!人にはよいのかもしれません。

土産店・飲食店

出国審査後、飲食店やお土産屋さんもありますが、各店舗の品ぞろえと値段に大きな差はありません。例:ドライマンゴーひと箱300ペソほど(ローカルのスーパーではその額の半分ほどの150ペソ前後)。飲食店で食べられるものは(少々パサパサなことも珍しくない)サンドイッチ系、バーガー、麺類(とはいうものの、インスタント麺的な食べ物)等であまり期待はできません。

一応、フォローしておくと、空港のターミナル内の搭乗者用の待合室にスターバックス等も入りました。座席数は限られてはいるものの、お茶ができるスペースが空港内(ほんの一部ですが)でき、雰囲気が変わったように思います。

空港の規模と構造

空港の規模は、67,000平方メートル(72万平方フィート)の面積を有し、2018年は45,082,544人が利用しました。

建物の中には旅行者(航空券を持つ旅行者のみ)しか入ることが許されていません。そのため、入国した旅行者を迎える人、出発を見送る人の待機エリアは、半屋外です。また、すでに述べた通り、建物の構造は特徴的で、到着階と出発階が建物の中で連結されていません。

これらの構造的な条件から、流しのタクシーを拾うため、出発階に行くためには、大荷物をもって、建物の外にでて、階段から移動しなければなりません。

利用の注意点!ココが不便!NAIA1

改めてこの空港、作りも独特、そして利用者にとってあまり便利とは言えない構造となっていることがおわかりいただけたでしょうか。

その1.見送りの人の待機スペースの貧困さ

まず、出発ロビーの見送りの人が待機するスペースは建物の外(雨が降ると最悪です)、そしてベンチの数も少ないこと。そのため、出発時は外で待たず、早々に建物の中に入ること。

その2. 出発階と到着階は同じ建物内でつながってない

通常の空港では、同じ建物内に出発階、到着階があり、エスカレータやエレベーターで往来可能ですが、NAIA1ではそれらはつながっておらず、もし到着階の待ち合わせ場所に出発階から行きたい場合は、狭い階段を下り、さらに自動車が走る道路を横切り、空港駐車場所入口までぐるりと回って待ち合わせロビーにたどり着きます。

その3.建物の内部が寒すぎる

内部はかなり冷房が効いており、過剰なほどです。かなり寒いので羽織るものを必ず手荷物として確保しておきましょう。

NAIA1のちょっとした歴史

マニラ国際空港の開発は、空港の開発を認可した大統領令第381号の公布によって最終的に承認。 1973年、フィージビリティ・スタディ/空港マスタープラン作成は、アジア開発銀行からの2億9,600万ドルの融資とエアウェイズ・エンジニアリング・コーポレーション(Airways Engineering Corporation)によって行われました。新マニラ国際空港開発プロジェクトの詳細設計は、Renardet-Sauti/Transplan/F.F. Cruz Consultant が行い、ターミナの詳細な建築設計はLeandro LocsinのL.V. Locsin and Associatesが行いました。

そして、ターミナルは1991年に完成し、同年に合計旅客数は453万人に到達。 1991年以来、ターミナルは稼働率を超えており、年平均成長率は11%を記録していますが、空港の改良工事により年間容量は600万人に増加しました。その後幾度の改良を重ね今に至っています。

近年はデルタ航空、KLM、エミレーツ、シンガポール航空、キャセイパシフィックなどは、ターミナル1を解約し、2014年8月1日から10月1日に第3ターミナルに移転しました。そのため、著者は近年は国際線の利用でももっぱらターミナル3を利用する機会が増えましたが、ターミナル1今も健在です。

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