オランダで誕生日を祝う―日本との違い

今年の夏はコロナのためか、自粛ムード。もちろん、そんな中でも海外旅行に行った強者も私の周辺にいますが、旅好きなオランダ人にはさぞかし退屈で長い夏なのでは・・・と思ってしまいます。そんな事情+特別な理由からなのか、この夏は友人たちは、誕生日会を主催。ご招待いただき、出席しました。

誕生日ケーキ
誕生日ケーキ(c)ぱくたそ

友人に誕生日にご招待いただきましたが、文化が違うと、いろいろと異なるものだなぁと実感することがあります。

日本とオランダの違い

誕生日の人のおごり

これは、オランダだけではなく、以前に生活していた、フィリピンもそうですが、誕生日の人が、家族・友人たちにおごります。フィリピンの場合は、ホームパーティがほとんどですが、オランダでは、自宅での開催のほか、レストラン等を借り切って誕生日会を開催!ということも少なくありません。
オランダ人は、倹約家!悪く言えばケチ!といわれることも少ないない中、友人を招いて、食事をふるまうとは、太っ腹です。

誕生日の人がホスト

上記のように、レストランを借り切って・・・と少々の散財覚悟の誕生日会もありますが、それは、「特別」な誕生日のみのこと、オランダ人の誕生日は、お茶とケーキだけということもあります。もちろん、ケーキは一切れだけ(笑)。ケーキやお茶のみという場合は、夜ご飯を済ませてきてね・・・という意味合いも込めて、開始は夜の8時ぐらいからです。オランダ人の夕食の時間は夕方6時と言われているので、8時というのは妥当なところですが、それを知らない外国人は、夕食も出ると思ってお腹を空かせてしまうことでしょう。
お茶とケーキをふるまうのもホストの仕事。テーブルの上に食べ物を置いて、ご自由に!とはいきません。

親しい人全員が祝福を受ける

招待を受けた人は、誕生日の人のみならず、その配偶者、叔父、両親にも「お誕生日おめでとう」と祝福します。ちょっと変な感じと、気恥ずかしさで、私自身は、さすがにご家族の方におめでとうとは言えませんでした。しかし、家族のメンバーへのおめでたいことを、家族に押し広げて考えるというのは、悪いことではないと感じます。
妊娠を周囲に知らせたときも、周囲は妊娠した当人だけではなく、その配偶者にも「妊娠おめでとう」と祝福します。さも、配偶者が妊娠したように聞こえるのは不思議なことですが、誕生日の祝福からも、納得です。

プレゼントを期待してOK

日本では、誕生日は誰かに祝ってもらうこと(おごってもらうこと)が多いため、その誕生日会そのものが、誕生日プレゼントとも考えられます。ゲストもケーキやワインを持ってきてくれたり・・・しますが、オランダでは、誕生日の人がすべて準備をするので、ゲストからは、プレゼントを期待してもOKです。中には、プレゼントのほしいものリストを作るという人もいるのだとか・・・しかし、何を贈ったらよいかわからない時には参考になるので、いいかも・・・

誕生日プレゼントはすぐに開封

日本では、いただいたプレゼントをその場で開封するということはあまりしませんが、オランダでは、送った本人の前で開封するのが、通例です。送った相手をその場で認識し、感謝するためとか、所説はいろいろありますが、プレゼントを贈られた時にはその場で開けます。

ちなみに・・・一般的なギフトは、商品券、現金、バス・ルーム用品、旅行券、レストラン券、小物(マグ)等と聞きます。私は、先日ご招待いただいた誕生日にコスメブランド RITUALS(リチュアルズ)のギフトを持っていきました。個人的に気に入っているブランドだったからですが、数人の人がリチュアルズで購入したギフトを渡しておりました。商品そのものは被らなかったのですが、ブランドがかぶっていましたので、あぁ失敗。

50歳は特別な誕生日

オランダで50歳の誕生日を迎えると、オランダ人はこれを男性なら「アブラハムに会う」、女性なら「サラに会う」と言います。これは、経験によって知恵を得た人を称える伝統です。今でこそ、50歳はまだまだ若いのですが、ひと昔前は、シニアの入り口であったことも関係し、50歳は、知恵深くなる歳でもあり、長寿の象徴的歳とも考えられました。

多くの人が楽しみにしている重要な誕生日で、盛大に祝われます。ちなみに、アブラハムとサラは旧約聖書の登場人物です。50歳を祝う伝統は、新約聖書ヨハネの福音書8章56~58節から引用されています。この箇所で、イエスは、まだ50歳になっていないのに、どうしてアブラハムを見たのかと尋ねられます。イエスは「あなたがたに言うが、アブラハムがいる前に、私はいる」と言って、ユダヤ人たちを驚かせます。聖書の記述の前後関係を見ないと、内容がわかりずらいのですが、アブラハムは、ユダヤ教の信仰の祖であり、またキリスト教、イスラム教でも重要な人物です。

50歳になる人の前庭にアブラハムかサラの人形や膨らませたものを置きます(夜にその人型を見るとちょっと、どきりとします)。その際、50歳の誕生日であることが100%わかるように、サインを添えることもあります。

アブラハムとサラの人型
アブラハムとサラの人型―夜に玄関先に置かれている人形をみてどきりとします。

トイレのカレンダーに友人の誕生日にしるしをつける

カレンダーを買ってきて、家族・友人の誕生日を書き加え、トイレの横に貼っておくのがオランダ流。(オランダ人のお宅にお邪魔した時に、見たことがあります)。なぜ、トイレに?と疑問に思いますが、一日のうちで使わない日はないため、だからだとか。それを見て、誰かの誕生日であることを知り、電話を掛けたり、カードを送ったりするようです。

文化による差異はありますが、大切なことは、何よりも共に祝い、楽しむこと!ということで、誕生日が多かった8月は、もりもり食べて、大いに肥えました。

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