11月30日はフィリピンの英雄「アンドレ・ボニファシオ」の誕生日で、休日です。特に今年は生誕150周年を迎えます。ボニファシオは当時の植民地政府に対する独立運動のための秘密組織、カティプナンを結成し、その後フィリピンの独立運動を導きますが、最後は内部抗争によって銃殺されてしまうという非業の死を遂げます。
革命史の英雄の1人でありつつも、ホセ・リサールのような家柄もスペイン・外国式の教育も受けず、まさに民衆の中から出てきた英雄。ホセ・リサールの書籍を革命の思想書としたと言いますが、個人的には彼こそがフィリピンの革命の系譜の根っこにある人物だと思います。
ちなみにリサールが英雄として強調されるようになったのは他でもなく、アメリカの植民地時代と聞きます。その理由はリサールが暴力闘争を望まなかったという点にあると言われています。
カティプナン(Katipunan)はKataastaasang Kagalanggalangang Katipunan ng mga Anak ng Bayan 母なる大地の息子たちと娘たちによるもっとも高貴にして敬愛されるべき会)の略称で、カティプナンは呼称、その意味は「集まり」を意味します。赤に白字で「KKK」と書かれた旗を見かけたら、これはカティプナンのマークと思いだしてください。
ちなみに初めてフィリピンに来た時にはKKKは、(ゲルマン系)白人至上主義の秘密結社クー・クラックス・クランのことかと思い、びっくりしたのを思い出します。
舞台俳優である友人*が「SAN ANDRES」という舞台劇をやるということで、チケットを頂き、お芝居を見に行きました。(2013年12月のこと)
*この友人は後に舞台でキャリアを積んで、TVドラマに出演するようになりました。
このお芝居・オペラは、特に歴史を忠実に写実するものではなく、革命史に残る人物ボニファシオとその周りの人々革命前夜とそして革命中の揺れる心に焦点を当てています。ボニファシオのKKKの設立とその革命を推進していく際の葛藤、それに従う民衆の恐れや不安。
ネガティブな心を象徴するのが「4人の乞食」、そして革命を志す熱い志をサポートするのが「3人のマリア」。ネガティブな心は、スペインの植民地政府による投獄などへ実際の自分の身の危険への恐れなどが出てきた場合に登場し、不安な気持ちを大きくします。
そして、3人のマリアに象徴される何かを成し遂げていこうとする意志の心が、ネガティブな心を押しのけるべく、力づよく劇中に登場します。
劇は二部に分かれ、一部はボニファシオ個人のトランスフォーメーションを描きます。祖国に対する集合的なビジョン、独立を希求するのですが、難しさや恐れから挫折しそうになりながら、覚悟を決めます。
二部はKKKの設立。革命は暴力を伴うものだったので、武器を手に取る群衆も描かれました。また、ボニファシオは結婚し、子どもを儲けますが不幸にも亡くしてしまいます。劇では子どもの命は祖国への捧げものと解釈がされていました。
銃刑に倒れ「San Andres」つまり、フィリピンの革命における聖人となるところで劇が終わります。
全編フィリピノ語でかつオペラ調の劇で部分的にしか分かりませんでした。一部を終えた時点で部分的に通訳をしながら理解したのですが、言葉が分からずともある種話には付いていけたので、これは芸術の力だと思います。
ボニファシオも全くそれほど英雄然としておらず、悩み苦しみ人間味あふれ興味深い劇でした。
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ちなみにリサールが英雄として強調されるようになったのは他でもなく、アメリカの植民地時代と聞きます。その理由はリサールが暴力闘争を望まなかったという点にあると言われています。
カティプナン(Katipunan)はKataastaasang Kagalanggalangang Katipunan ng mga Anak ng Bayan 母なる大地の息子たちと娘たちによるもっとも高貴にして敬愛されるべき会)の略称で、カティプナンは呼称、その意味は「集まり」を意味します。赤に白字で「KKK」と書かれた旗を見かけたら、これはカティプナンのマークと思いだしてください。
ちなみに初めてフィリピンに来た時にはKKKは、(ゲルマン系)白人至上主義の秘密結社クー・クラックス・クランのことかと思い、びっくりしたのを思い出します。
舞台俳優である友人*が「SAN ANDRES」という舞台劇をやるということで、チケットを頂き、お芝居を見に行きました。(2013年12月のこと)
*この友人は後に舞台でキャリアを積んで、TVドラマに出演するようになりました。
このお芝居・オペラは、特に歴史を忠実に写実するものではなく、革命史に残る人物ボニファシオとその周りの人々革命前夜とそして革命中の揺れる心に焦点を当てています。ボニファシオのKKKの設立とその革命を推進していく際の葛藤、それに従う民衆の恐れや不安。
ネガティブな心を象徴するのが「4人の乞食」、そして革命を志す熱い志をサポートするのが「3人のマリア」。ネガティブな心は、スペインの植民地政府による投獄などへ実際の自分の身の危険への恐れなどが出てきた場合に登場し、不安な気持ちを大きくします。
そして、3人のマリアに象徴される何かを成し遂げていこうとする意志の心が、ネガティブな心を押しのけるべく、力づよく劇中に登場します。
劇は二部に分かれ、一部はボニファシオ個人のトランスフォーメーションを描きます。祖国に対する集合的なビジョン、独立を希求するのですが、難しさや恐れから挫折しそうになりながら、覚悟を決めます。
二部はKKKの設立。革命は暴力を伴うものだったので、武器を手に取る群衆も描かれました。また、ボニファシオは結婚し、子どもを儲けますが不幸にも亡くしてしまいます。劇では子どもの命は祖国への捧げものと解釈がされていました。
銃刑に倒れ「San Andres」つまり、フィリピンの革命における聖人となるところで劇が終わります。
友人は4人の乞食の1人、PEPE HERRERA。フィリピンで俳優をしています。 しかし、3人のマリアの対がなんで4人の乞食なんですかね? |
全編フィリピノ語でかつオペラ調の劇で部分的にしか分かりませんでした。一部を終えた時点で部分的に通訳をしながら理解したのですが、言葉が分からずともある種話には付いていけたので、これは芸術の力だと思います。
ボニファシオも全くそれほど英雄然としておらず、悩み苦しみ人間味あふれ興味深い劇でした。
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