新大統領ロドリゴ・ドゥテルテ就任

選挙期間中の過激な発言で話題となった元ダバオ市長ロドリゴ・ドゥテルテ氏は2016年6月30日、正午(日本時間午後1時)、第16代大統領に就任しました。在任期間は6年、この間は、汚職・犯罪とりわけ薬物がらみの犯罪への取り組みを強化し、前政権からのマクロ経済政策を継承、ミンダナオの和平への取り組みを継続していくとの意向をしめしています。
選挙期間中

南部ミンダナオ島出身者が大統領になるのは初めてで、マニラと地方の経済格差の縮小を主要政策に掲げています。連邦制の導入を目指しており、それによって格差の是正の他、南部ミンダナオの武装勢力との和平の達成を目指すとしています。
ミンダナオ コトバト市内の様子
ドゥテルテ氏は、同日首都マニラのマラカニアン宮殿(大統領府)で開かれる宣誓式で所信を表明。歴代の大統領は、リザールパークで宣誓式を行っていたものの、式典の開催が渋滞を招くと会場を変更、そして通常は副大統領と共に執り行うですが、副大統領は別途行うという異例な就任式となりました。

就任式の参加者は600名ほどで通常よりも少ないとのこと。また、フィリピンで有名な歌手、日本でもAnak(息子)という曲で有名になったフレディー・アギラ(Freddie Aguilar)氏が歌を披露しています。



ちなみに副大統領となった元南カマリネス州出身の議員、ロブレド氏はケソン市のレセプションハウスで別途就任式を行いました。

就任演説では、汚職・犯罪・薬物の使用について強い懸念を示し、それらについての取り組みを改めて明言しました。大統領選挙運動期間中、就任3カ月以内に犯罪を撲滅する!と強気の宣言。

3ヶ月は短すぎて現実味がないのですが、連邦制にすることで、地域経済が活性化され、その上で地域での雇用が増え、マニラなどの大都市の人口増が抑えられることと罰則の徹底化と合わせて犯罪の減少が実現するのではないかと思われます。

ダバオ市長在任中は超法規的方法で、それら犯罪者たちを「取り締り」ました。また、数々の暴言は注目を集め、人々は強いリーダーを待望しつつ、一部、戸惑いや懸念があることは否めない様子。

キャンペーン終盤で明らかになった財産隠しは、彼の人気を落とすことはなかったものの、これを元に弾劾を画策するという動きもあると聞きます。不正は絶対にただされるべき。しかし、これらの理由で、折角上向きのフィリピン経済の下降、継続している和平交渉が止まることが心配でもあります。

ただ、新大統領の就任が大きな変化、特にポジティブなものをフィリピンにもたらすことを期待しつつオランダから特に平和構築関係の状態をアップデートしていきたいです。

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