ビコール地方の中心都市、ナガ市を歩く3‐ビコールエクスプレス‐

ビコールエクスプレスというと、唐辛子のココナッツミルク煮込み、味がマイルドなフィリピン料理では珍しくスパイシーな料理を連想しますが、これは電車の話。


フィリピン国鉄(Philippine National Railways:PNR)長距離寝台電車「ビコールエクスプレス」の終着駅の見学とマニラに戻る電車のチケット購入の可否を尋ねに、ナガ駅まで足を運びました。

ビコールエクスプレスは、マニラとビコールを結ぶ鉄道路線で、日本の引退した寝台列車「北陸」がその路線を走っています。所用時間は10時間ほど。料金は700ペソ前後と聞き、所要時間と値段で、エアコンバスの600ペソとよい勝負です。

停車駅は、パサイ市パサイロード、モンテンルパ市アラバン、ケソン州ルセナ、ホンダガ、ダグカワヤン、ラガイ、南カマリネス州シポコット、リブマナン、ナガ、イリガ、アルバイ州リガオ。しかし、エクスプレスの終着駅は現在はナガ駅です。

駅は、SM ナガ(デパート)からも近く1キロほどの場所にあります。駅への道が分からず、思わず線路をたどって歩いていくことにしました。

線路のすぐ両サイドに民家があり、すぐ外では子どもたちが遊び、のどかな風景が続きます。また電車が日本ほど頻繁に走っていないため線路を利用して、トロッコも走っています。

駅に着くと、出発を待つ電車に人がポツリポツリと乗り込んでいく姿が見られました。行き先は南カマリネス州のデル・ガレゴ。電車が運行していることが分かりましたが、肝心のビコール・マニラ間の路線はどうなのでしょうか。

駅構内のチケット売り場で尋ねたところ、現在ケソン州のどこかで路線のメンテナンスを行っており、それが終了していないということ、そして復旧の目処は立っていないということでした。この状態は昨年9月から続いていたため、さすがに数カ月経った1月では復旧しているだろうと期待していましたが、甘かったようです。実際ウェブサイトにも運休していないという記述があります。

PNRは国有です。フィリピンの鉄道の敷設の歴史は古く1892年のスペインの植民地時代にさかのぼります。戦後アメリカの統治下でPNRが創設。ルソン島の北部ラ・ユニオンからビコールまでの約500キロの路線でしたが、路線のメンテナンスや資金難、そして台風の影響で一部路線が運行していませんでした。また、相次ぐ事故で信頼を失っていましたが、復旧工事を行い枕木をコンクリートに替え、軌道の強化を図るなどし、マニラ・ビコール間の路線が復旧し、ここ数年の運行に至ったのですが、メンテナンスのためまたしても運休です。

しかし、現在はまたも運行停止。いったいいつ復旧するのか、待ち遠しい限りです。


<ナガ市を歩く-シリーズ1、2、3>

ビコール地方の中心都市、ナガ市を歩く1‐リザール公園~大聖堂‐

ビコール地方の中心都市、ナガ市を歩く2‐アテネオ・デ・ナガ~市場‐

ビコール地方の中心都市、ナガ市を歩く3‐ビコールエクスプレス‐





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