[トビリシ観光]ジョージアの先史時代から現代までの情報が凝縮!トビリシで博物館をひとつだけ選ぶなら、ジョージア国立博物館(Georgian National Museum)

ジョージアの首都トビリシ市内にはそのコンパクトな地形ながらも、多くの博物館と美術館が集中しています。トビリシ滞在の時間が短いうえに、どの博物館を回るべきか迷っているという人に是非訪問をおすすめしたいのが、トビリシにある主要な歴史博物館の1つであり、国内で展示が最も充実しているジョージア国立博物館(Georgian National Museum)です。

この博物館は、地下一階、地上三階の建物の中に、先史時代から近現代のジョージアが詰まっています。
ジョージア国立博物館1階展示
ジョージア国立博物館1階展示
博物館の入り口に入ってすぐの展示です。


4000万年前の動物の化石、そして旧石器時代、新石器時代、青銅器、鉄、中世の豊かな考古学的および民族誌的コレクションを含む、自然と人間の歴史が展示されています。

博物館の見どころ

上記の通り、非常に多くを網羅している博物館であるため、「見どころ」として博物館の一部のセクションを選び、おおすすめすることは簡単ではないということを言い訳しつつ、まず見てほしいと思う場所は地下一階の常設展示である、中世教会の遺跡の展示です。
ジョージア国立博物館地下一階ジョージア正教関係の展示物
ジョージア国立博物館地下一階ジョージア正教関係の展示物
ジョージアは327年という歴史的に早い時期にキリスト教を国教化しています。それ故に、キリスト教関係の遺跡も多く残り、現在もその信仰はジョージア正教会に受け継がれています。展示は聖人のイコン、教会の司祭が纏った服、細かい装飾が施された教会の建物の一部等が見られます。

ジョージア人とジョージア正教の関係を展示をみて感じられ、各地、町で見かける正教会の建物の歴史を感じられるのではないでしょうか。
ジョージア国立博物館地下一階ジョージア正教関係の展示物 教会のレリーフ
教会のレリーフ

ジョージア国立博物館(Georgian National Museum)聖ニノの肖像
ジョージアにキリスト教を伝導した聖ニノの肖像
この聖ニノの故、ジョージア人女性の名前でニノさんは多いです。

Forty Martyrs of Sebaste
Forty Martyrs of Sebaste
キリスト教徒であることを公然と告白した40人の兵士は、ときのローマ皇帝により迫害を受け、厳寒の夜にセバステ近くの凍った池に裸で凍死させられた。


古代から金や銀の発掘で知られていたジョージア。ジョージアの黄金文明は早い時期から始まっており、まばゆい黄金の装飾品はこの博物館の一つの目玉です。紀元前3000年も前のものも出土されており、上流階級が使っていた黄金の装飾品なども見られます。羊の皮を用いて、砂金を集める手法が用いられていました。
ジョージア国立博物館(Georgian National Museum)
ジョージア国立博物館(Georgian National Museum)地下一階の展示


また、もう一つのオススメは建物最上階である3階にあるソビエト占領展です。これは、「[トビリシ観光]ジョージアとロシア(旧ソ連)の関係を学ベる展示(The exhibition of Soviet Occupation)」でもご紹介し、博物館の中でもかなり独立して存在していますが、今のジョージアとロシアの関係をしるためにも訪れることをオススメします。
ジョージア国立博物館内The exhibition of Soviet Occupation
ジョージア国立博物館内にあるソビエト占領展示(The exhibition of Soviet Occupation)

その他ージョージアの生物多様性、民族衣装、アジア(インド、中国、日本)の展示

ジョージアにはさまざまな生態系が比較的小さな地域に集中しており、独自の高いレベルの生物多様性に貢献しています。また、植物相も非常に豊かです。維管束植物(Tracheophyta)※には4,300種があり、そのうち600種がコーカサス地方に固有のものであり、300種がその国に固有のものである。

※維管束植物とは、維管束を持つ植物で、維管束とは水・ミネラル・光合成産物を植物体全体に輸送するための組織です。つくし等が維管束植物です。
ジョージア国立博物館(Georgian National Museum)
1階奥の展示、ジョージアの多様な植生、野生動物等の展示
わかりやすく楽しい展示は建物2階の民族衣装展示。ジョージア人といっても、改めて東西南北で文化・習慣が異なることをひと目見て実感することができます。同時に、衣装にもこの地方ならでは特徴も現れております。例えば、多くの場合男性の衣装に銃の火薬を入れるカートリッジを収納できる場所が胸元にあり、腰には短剣を固定できるベルもあり、短剣の鞘も美しく装飾され、かなり実用的でありつつも独自のスタイルが美しいです。

ジョージア国立博物館の民族衣装の展示
ジョージア国立博物館の民族衣装の展示

ジョージアでの貴重な考古学的発見
貴重な考古学的発見!
ジョージアのクヴェモ・カルトリ地方のドゥマニシ遺跡から177万年前とみられる前人類の骨が発掘されました。この発掘により、人類の祖先には、これまでの定説からいくつかの枝分かれがあったことが考えられるようになりました。

博物館の略史

 博物館は1852年5月10日に設立され、1865年にドイツの探検家Gustav Raddeの主導でコーカサス博物館に改装されました。1919年にロシア帝国から独立して後、ジョージア博物館に改名されました。

しかし、ボリシェビキによる混乱時、1921年にコレクションの大部分は、当時のジョージア政府によってヨーロッパに移動。のちの1945年に、Ekvtime Takaishviliの努力によってソビエト政府下のジョージアに返還されました。

1991年から1992年の軍事クーデターの間に戦いで損害を受け、コレクションの一部は火事で破壊されました。 2004年、博物館は、ジョージアン国立博物館の共同管理システムの下に統合されました。

まとめ

ジョージア国立博物館は、上記の通り、とても見応えがある博物館です。全てをしっかり、すみからすみまでみようと思えば、半日から一日はかかってしまいますが、そうではなく、興味のある分野を重点的に見ながら楽しむのがよいかもしれません。

ジョージア国立博物館(Georgian National Museum)
所在地:3/10 Shota Rustaveli Ave, T'bilisi 0105
開館時間:10:00から18:00
休館日:月曜日
入館料:7ラリ(学生1ラリ)

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