海外で歯科治療ー海外の歯科経験、親知らずの抜歯をジョージアで行った(施設・歯科医の質・値段)

海外の長期滞在で気になるのが医療、特にその質と費用かと思います。先進国と呼ばれる西の国ではその国の住民になる条件として保険加入を義務化しています。しかし、そのような国でもカバーされないのが、歯科治療にかかる費用です(例:オランダでは歯科の保険は通常保険に追加料金を支払います)。おおよその国の保険でカバーされず、得てして高額な歯科治療、悩ましいです。同時にその歯科医の腕前等もろもろの事情に海外長期滞在者を悩ませます。

そうした不安があるの中、著者はかなり強い歯痛のため幾度となくやむを得ず海外(フィリピンとジョージア)で歯科治療をおこなっています。「度胸がある」と賛辞をいただきましたが、度胸と言うよりは必要の故にやむを得ずというところです。願わくば海外で行いたくない歯科治療ですがやむを得ずの場合、その医療の質とはどんなものか、ジョージアにおける歯科治療の質、費用、その他をまとめました。

親知らずの抜歯当日
親知らず抜歯一日目 腫れて、ハムスターのようになりました。



親知らず抜歯の様子

著者はジョージアにおいて2つの歯科医院を経験していますが、1つは医療ツーリズムで訪れた外国人旅行者(ロシア人多し)にも対応できるよう機材も整っている近代的な歯科で、もう一つの歯科は非常に現地標準的で、ローカル御用達という様子。

親知らずの抜歯に関してですが、ジョージアにおいては、「手術」扱いになるので、通常の歯科治療担当医とは別の医師に抜歯してもらうことになります。手術の前に何やら合意書にサインさせられるのですが、サインさせられている内容がわからないのがなんともです。

著者が行った歯科では、大きなカメラのような形をしたおもちゃのような外見のレントゲン機材で親知らずの状態を確認します。その場でその画像がパソコンに送られ、撮り直しも追加の撮影も簡単。施術用の用具はもちろん、毎回新しいものを利用しています。

日本との違い

抜歯についてはきちんと麻酔もして、痛みはもちろんありませんでした。日本と比較して大きな違いはないようですが、ジョージアの抜歯においては吸収糸を使用するため「抜糸」はしません。そのため、よほど腫れる、痛みが続く以外の症状では再診はおこなわず、これでおしまいです。

抜歯中、顔や周辺をこまめに拭いてくれるということはないため、抜歯後鏡を見て口の周りが血まみれであることに少々びっくりしました。抜歯後、自分で水道で洗ってくださいと言われ、洗面所で洗うことに。服装にも自分の血がところどころ飛んでいました。白系のものを着ていくと、汚れるかもしれません。

費用

親知らずの抜歯に関しては、現地価格で70ジョージアラリから100ジョージアラリなので、約3,000円ほどです。それにプラスして、抗生物質と痛み止めの購入に約20ラリ程かかります。そのため、4,000円ほどと考えておくのがよいでしょう。この費用は日本と同じぐらいです。

ちなみに著者はすでに歯茎から出ている親知らずと、まだ顔を出していない親知らずを別々の病院で抜きました。ジョージアにおいて二度の抜歯を行っています。すでに顔を出している親知らずを抜いた歯科医院Aで支払った費用は70ジョージアラリ、後者のケースでは歯科医院Bに30ジョージアラリ支払いました。

歯科医院Bに支払った額が安かった理由は、ジョージアの現地で加入した健康保険で、一部が保険で支払われたためです。そのため、通常、その歯科医院Bでは親知らずの抜歯には100ジョージアラリがかかるようです。

外国人向けの医療保険

ジョージアでは、外国人長期滞在者が加入できる医療保険があります。外国人が購入できる保険はそれほど数は多くはありませんが、保険会社の提供する保険プランもそれぞれで、一ヶ月20ラリ(1,000円弱)から120ラリ(6,000円)の支払いと幅があり、保険によりカバーされる割合が異なります。一番高い額ではなくてもそのひとつ下の66ラリでも、多くの範囲がカバーされます。

歯科に関しては、安いタイプの保険では歯科はカバーされませんが、月40ラリ〜70ラリほどの保険で、歯科一般の治療の50%から70%がカバーされる他、抜歯等の場合は10%から30%がカバーされます。

1年加入しなければならず、一年未満でやめてしまうときは、残りの月数の70%分は支払わねばなりませんが、それほど高くは無いため、ジョージアに中長期滞在する際には、海外旅行保険もいいのですが、現地の保険で十分よいのではと思われます。

ジョージアの歯科医院はどうか?

まさに千差万別とのこと。歯科医院ごとの医療設備から、その歯科医院に所属する歯科医の腕前も色々。腕前はともかく、プロとしてのモラルに驚かされることも。。

医療施設は、2件ほどしかみておりませんが、レントゲンが簡易であるところが多いようです。上記の通り、おもちゃのカメラのような大きなレントゲン機材のレンズのような凸部分を口の外側にあて、口の中に小さな板を挟み写真撮影します。撮影後はすぐにノートパソコンにその画像が送られます。日本の用に小さなフィルムに撮影されるということはないようです。

歯科医の腕とそのプロ意識も様々です。初めて行ったジョージア歯科医で、携帯電話を肩と頬に挟んで会話した状態で歯科治療をされたことがあります。治療している最中鳴り止まない電話とそれに出続ける歯科医。ジョージア人の友人に聞くものの、これらは一般的ではないとのことなのですが、なんともすごい歯科医にあたってしまいました。もちろん、その後歯科医を変え、最終的には歯科医院を変えました。変更した後の歯科医は親身になって診断してくれました。最終的には、よかったのですが、アタリハズレがあるようです。

ジョージア、フィリピンもそうでしたが、治療中痛くても麻酔は容易にはしてくれません。麻酔をしてくれるのは、おそらく抜歯の時や根の治療の時ぐらいです。そのため、結構な痛みに耐えないといけません。歯も削りますが、詰めてはくれません!

フィリピンの場合は、取れた詰物を再利用されてしまいましたが、サイズが合わず、歯の間に全く隙間が無くなり、歯間ブラシが届かないことに。どちらもよろしくありません。

まとめ

経験から、ジョージアの歯科医はかなり選ぶことによって、安心の医療が受けられることがわかりました。ただし、地方都市においてはその限りではありません。一般的に地方都市でそれなりの医療が受けられる機関は限られており、検診や治療のために首都トビリシを訪れるジョージア人も少なくありません。

海外に長期滞在する前に日本で治療を受けていくのがベストですが、緊急の場合は、現地の歯科医に頼らざる得ません。そのため、緊急事態に備え、地元の友人たちに彼らが通っており、良いと思われる歯医者さん(とクリニック)のリストを持っておくのがよいでしょう。

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