マニラ、beep (スマート・カード)で便利な電車・バスでの移動

フィリピンにも近年、日本のスイカに該当するストアドバリュー・カード(金銭的価値をそれ自身に蓄えられるカード)が利用されるようになりました。beepと呼ばれるそのカードはマニラの電車で利用される他、特定の路線のバスでも利用されます。現在はスイカのように、交通機関以外の用途もあり(2017年現在)公共交通機関を利用する以外にも利用の幅が広がり便利になりました。タクシーではなく、公共交通手段を利用するフィリピン滞在者におススメのスマートカード*です。
スマート・カード:情報の記録や演算をするために集積回路 を組み込んだカードのこと。
スマート・カードbeep フィリピン
マニラ首都圏で利用できるスマート・カードbeep

beepって何?

beepはフィリピンの首都圏マニラで利用できるストアドバリュー・カード。カードに課金し、主にマニラの高架鉄道の路線LRT1, LRT2, MRT3で利用できる他、グローバルシティを走るバス、ニノイアキノ国際空港ターミナル3とタフト駅を往復する空港バスなどの交通機関に利用できる他、コンビニエンスストア、ファミリーマート、サークルK、特定の高速の支払い、ロビンソンデパートの映画館の支払いも行えるようです。

どこで購入できる?

高架鉄道の44の駅の他、グローバルシティのバスのEDSAの停留所、ニノイアキノ国際空港ターミナル3のブース、バクラランのHM Transport、Market! Market!、Bonifacio One Technology Tower terminals. CityLink McKinley, San Lorenzo Place, Eastwood、  Froehlich Glorietta 5、Trinoma、 RRCG Alabang Town Center, Greenbelt 1, Greenbelt 5, Star Mall Alabang、Star Mall Shaw等の場所で購入できるようです。
ニノイアキノ国際空港ターミナル3の販売ブースとその職員さんたち

beepカードのお値段は?

カードの代金は20ペソ。カード購入時に同時に課金できます。カードに入っているべき最低額は13ペソ。最高チャージ額は10,000ペソまで。

どこで課金できるのか?

基本的にはカードを購入できる場所、あるいは利用できる場所でカードの課金が可能となっています。
・高架鉄道の44駅のどこか
・特定のBayad Center(公共料金の支払いなどができる窓口)
・Tambunting, Villarica と SM Bills Payment Counters

http://www.beeptopay.com/news/beep-is-now-available-at-bayad-center/index.html for the full list of Bayad Center branches offering beep™ card loading.

電車でbeepを利用する

電車での利用法はカードを改札口にあるカード読み取り機にタップするだけ。下車時も同様にタップします。
マニラの高架鉄道の改札口の様子
マニラの高架鉄道の改札口の様子
駅改札口のbeepの読み取り機
駅改札口のbeepの読み取り機

バスでbeepを利用する

バスでの利用も電車と同様で、乗車口にあるカードリーダ―にタップするのですが、全てのバスの路線で利用が可能ではないで注意が必要です。
BCGのルートは一律12ペソ(2017年2月に撮影)
グローバルシティを走るBGC Bus
グローバルシティを走るBGC Bus

利用できる場所はグローバルシティ、マカティ、アラバン、ニノイアキノ国際空港のターミナル3、あるいはデパートSMを結んでいる路線です。

HM Transportが運行する
・ニノイ・アキノ国際空港ターミナル3
乗車の方法はブログ「フィリピン、ニノイアキノ国際空港ターミナル3(NAIA3)空港バスの利用法」をご参照ください。
その他、BGC Bus、Citylink Coach Services、RRCG P2P Busが運行する
・Glorietta 5 ー Trinoma
・SM North EDSA ー Glorietta 5,
・SM Megamall ー SM North EDSA
・Alabang Town Center ー Greenbelt 1
・SouthPark Alabang ー Greenbelt 5
・Star Mall Alabang ー Star Mall Shaw

ウェブサイト:BGC Bus Launches Newest Routes Effective August 7



フィリピンの路上には多くのバスが走っているためどのバスかわからない!という声も聞かれますが、beepのロゴがついているバスを上記の地域でみつけてください。
また運行している会社のウェブサイトやあるいはFacebookページでスケジュールなどが掲載されています。路線、およびスケジュールは変更の可能性が常にありますので、利用を予定している場合にはそれらオンラインの情報を要チェックです。

RRCG P2P Bus facebook: https://www.facebook.com/rrccgp2pbus/
RRCG P2P Bus facebook スケジュール

RRCG P2P Bus facebookに掲載されているスケジュール
バスのスケジュール一例として・・・



カード残金を知る方法

基本的にはbeepカードを販売している高架鉄道駅構内、ブース、カード利用が可能なコンビニエンスストアで残金を確認できます。
高架鉄道駅構内にあるカード販売機にカードを置くと残金が表示されます。
カード販売機が機能していない時には駅の窓口で確認できます。
バスのbeep販売あるいは課金を行えるブース。
FamilyMartやCircle Kのカードリーダー。

実際beepを購入・利用してみて

実際beepで公共交通機関を利用してみて利点を感じられたのは特に高架鉄道での利用。よかった点は主に以下の2つ。

☑高架鉄道チケット購入時の混雑を避けられる
☑常に小銭の心配をしなくてもよいこと

混雑を避けられるというのは、カード導入の一番の目的だったのではないでしょうか。とにかく、ただでも混みこみのフィリピンの高架鉄道、そこにカード購入時の長蛇の列は大きなストレスです。電車の切符を購入するだけで5から10分、長くて20分並ぶことがざらでした。十分にチャージしておけば、混雑する時間に並ばなくても済みます。
また、切符を購入する際、駅の券売機が機能していないことは稀ではなく、機能していても小銭しか受け付けない、更に小銭によっては戻ってくる場合もあり、長蛇の列を避けるため券売機を利用しようとしても肝心の切符が購入できないこともしばしば。そうした心配もカードがあることで解消されます。
*駅で切符を購入の際にお釣りがないと言われることは稀ですが、バスなどではとても嫌がられます。そうしたストレスからも解放されるのがカードの利点ではないでしょうか。

旧Stored value cardとの違い!

以前にもプリぺードカード(Stored value card)がありましたが、そのカードは100ペソが上限で、beepのような機能はありませんでした。
以前のプリぺードの特徴

・カードに課金ができない
毎回100ペソのプリぺードを購入し続けないといけないこと。
・LRT とMRTでは路線が別
・カードの残金が一区画以下となっても利用できる
つまり、残金が例えば8ペソであっても15ペソ区画を乗車できる。利用者にとってはお得。
・なぜが時の為政者の写真がカードにプリントされていた
前アロヨ大統領、円借款で高架鉄道を作ったため安倍首相(第一次安倍内閣の時)の写真。
ブログ「フィリピン、マニラの電車事情ーこれ何とかして!」に旧カードの写真や券売機(いつも壊れている!)が掲載。

マイ beepカード

カードは基本的に匿名です。そのため、譲渡が可能です。しかし、高齢者や障がいを持つひとたちには割引がされるため、利用者の名前入りのカードを入手できます。割引が得られるbeepカードの入手は、申し込み用紙に記入し、最寄りのLRT1、LRT2、MRT3などの高架鉄道の駅に提出すること。10日(土日を含まない)ほどでカードができるので、申し込みをした駅に取りに行きます。申請時に割引を受けたい場合は、窓口でのチケット購入が可能です。

CONCESSIONARY CARD APPLICATION FORM
https://www.beeptopay.com/pdf/concessionary_card_form.pdf

最後にーbeepは利用すべきか?

首都圏マニラの3つの高架鉄道LRT1,2とMRTは車両の違いからつながる気配は一向にありません。そのため、それらの路線がつながってはいないものの隣り合う主要駅は常に混雑。この問題が解消されるには更に10年の単位で待たねばならないでしょう。

しかし、切符購入時の混雑が多少緩和され、利用者にとってありがたいシステムなのではと思います。なにせこれまでフィリピンは、高架鉄道の乗車券は3路線とも別に販売されていました。ですので、乗り換えの時には再度切符を購入しなければならないという手間がありました。たかが切符の購入と思われるかもしれませんが、切符の購入のために(時に長蛇の列に)並ぶのはとても疲れます。

上記のバスと電車の路線を多用する首都圏マニラ在住者、そして短期の旅行者にとってもおススメのカードだと思います。

情報は2017年10月現在のもの。beepが利用できる路線、課金が可能な場所も今後変更あるいは拡大することも考えられますので、利用時には公式サイトを確認してください。

フィリピンの交通機関について

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