フィリピンのビザの更新にまつわる話ー親切なシンガポール人

フィリピンの入国管理局は、日本をふくめた151カ国・地域からの来訪者を対象とする査証(ビザ)不要の最長滞在期間を2013年の8月1日付で現行の21日から30日に延長すると発表しました。

観光省は2012年、来訪者の誘致強化5,500万人を目的に、ビザなしでの最長滞在期間を21日から30日に延長する新規則を発表しており、施行が決定したようです。いずれにしても、著者は一度滞在すると長いので、30日へ変更したというのはあまり意味をもたないのですが、フィリピンに英語の語学留学などで短期で訪れている人にはありがたい措置なのではと思います。

生まれ変わったフィリピン入国管理局?

ビザの更新で思い出すのが、フィリピン滞在時のビザ更新の際にあったちょっとした出来事。入国管理局(入管)へは通常余裕をもって行くのですが、なぜかその時は「生まれ変わった」入管にすっかり安心して、更新すべき日の前日まで悠長に構えておりました。

「生まれ変わった入管!」というのは、以前は汚職、横柄な職員、非効率的な作業で、ただでさえ入国管理局なんて行きたくないのに余計に行く気をなくさせるような場所でした。入管で、ビザ更新にまつわる話は尽きませんが、ひどかったのが以前の入国管理局窓口ではビザ更新するために訪れた外国人の前で、職員が堂々と私用の電話をしたり、テキストを送ったりして、「お客さん」を堂々無視する職員がいたこと。恐らくわざと外国人を待たせます。そして、外国人客がイライラするのを楽しんでいるようにも見えました。(著者もよくやられました。)また、そうした職員の手抜き仕事で2度ほど大変な目に遭ったことがあります。著者が初めてフィリピンを訪れた2006年の入国管理局はこんな様子でした。

数年の間に、入国管理局はリノベーションされ、今まで分かりずらかったビザの料金やそのプロセス、必要書類についてもウェブサイトなどで表示されるほか、入国管理局内に張り出されるようになり、お金についても透明化されるようになりました。また、必要な情報は総合案内で聞けるようになり、心配も軽減され、ややもすると横柄な職員よりも横柄な外国人が目立つようになったと思います。

マニラデ―でお休み!!!

しかし、入国管理局に到着すると6月24日(金)はマニラデーとやらでオフィスはオヤスミ。入国管理局入口に手書きで書かれていたお休みの紙をみてショック。

前日、ウェブサイトをチェックしたとき、そんな情報はなかったので安心していたのですが、フィリピンでは日本のように親切に休日などいちいち載せていないことをすっかり忘れていました。ビザが切れたらペナルティを支払わなければならず、なおかつ土日を挟んで課金されること必須でした。

どうしたものかと悩んでいると、同じ悩みを持つ外国人と思しき男性一人とフィリピン人の女性2人のひと組みが入国管理局のセキュリティに同じことを話しているのが遠巻きに聞こえます。

聞き耳を立てると、なにやらSanta Rosaというところに入管があってそこは開いていると話しています。早速その話をしている二人のフィリピン人女性にアプローチしました。「それはどこにあるのですか?」「ここからどうやって行くのですか?」「遠いですか?」いくつか質問した後分かったことは、ちょっと遠いということ(ちなみにフィリピン人のすごく、“ちょっと”という加減がわからない時がある)、場所はラグーナ州(マニラ市から2時間~3時間ほど、ラグーナ州は横に広い)でSM Santa Rosaというショッピングモールの近くにあること。
マニラ入管からサンタローサの入管まで
現在、サンタローサの入国管理局分署は閉鎖されたとのことです


ラグーナは知っているけど、「はて、Santa Rosaってどこだったっけ?」ここから行くと、2~3時間はかかるかもしれないけど、はっきりした場所は不明です。その当時は、スマホも一般的ではなく、必要な情報を瞬時に得ることができませんでした。そして、警備員も他のオフィスがどこにあり、それが営業中であるのか知りません。
フィリピン入国管理局のリストと営業時間、PDFファイル

どうしたものかと戸惑っていると、トイレに行っていたそのフィリピン人女性のつれである外国人らしき男性が、「これからSanta Rosaの入国管理局に行くけど一緒に来る?」とシングリッシュ(シンガポール人がつかう中国語なまりな英語)で誘ってくれたので、思わず即断で一緒について行くことに。あれほど、幼少期に知らない人にはついて行ってはいけないと言われてたのに・・・そして、フィリピンではこうした手口にのって、外国人が危ない目に遭っていることを知っていたのですが、ビザの方が心配だからありがたいオファーを受けることにしました。

男性はシンガポール人、女性のひとりは彼女で、もう一人の女性は愛人!というオチはなく、単にマニラに詳しい近所のおばちゃん。けど、マニラデー知らなかったので、車中シンガポールのおじちゃんにそのフィリピン人の女性は「何でしらんのや!ホンマにフィリピン人かいな」(英語でしたが、こんな感じでした)と突っ込まれていました。

途中、マニラ首都圏の分署(マカティ市に分署があります)に行こうとも考え、電話をかけたものの通じず、やっぱりSanta Rosaに向かうことに。ちなみに入国管理局は電話がなかなか通じません。道中、その当時の彼、現旦那に念のため車の車種とナンバープレートなどをテキストで送信。旦那「危なくないの?大丈夫?」いや、正直危ないんじゃないかと一瞬思い、念のためいつでも車から飛び降りれるように、ドアロックの確認などをしたりしていましたが、シンガポール人の男性のあっけらかんとした様子に、こりゃ何もないなぁと思った次第です。

途中、ご飯もごちそうになってしまい、助けてもらっているのに、「まぁどうせそっちの方向に行くのだから」と遠慮せずに食え食えって。すっかりお世話になってしまいました。イイ人たちですっかりたすけてもらいました。帰りも近くのバス停まで車で乗せていってくれました。

得られた教訓は、.ビザは余裕を持って更新。そしてウェブサイトの情報は信頼しきらないということでした。この教訓は数年後の2015年に著者がフィリピンで永住ビザを申請する際に思い出されることに。(絶対同じ間違いはしないと思ったのですが・・・)

それにしても、ビザの30日までの延長は有難いのですが、公式ウェブサイトに年間のスケジュールをしっかり載せてほしいものです。

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