フィリピンの台風あれこれ

本日は、台風NONAのビコール地方接近にともない、著者の務める大学は最終的には休校となりました。フィリピンでは、自然災害とくに台風のレベルにより小学校だけの休校、高校、そして大学を含めた休校措置が台風などの時には取られます。

クリスマス休暇前、年明けの中間試験の範囲を少しでもすすめたかったのに・・・と思いつつ、本当に11月は忙しく、身体が休みを欲していたので、台風という災害を喜ぶことは出来ないまでも、思いがけない休みにホッとしているのが正直なところだったりします。



この自然災害、明らかに人災です。地球の温暖化が云々という以上に、社会経済的理由からしっかりした家を建てられず、台風の強風でダメージを容易に受けてしまったり、また建物の位置そのものがよろしくなく、川沿いに生活し、増水で家は流されないものの最終的には危険な目に遭ったりと、事前に何とか出来たのでは・・・「減災」して、「年中行事」に備えるということが出来ないのが何ともつらいところです。これは後日、じっくりスタディするとして、今日はフィリピンの台風のあれこれについて。。


フィリピンで用いられている熱帯低気圧強度を測るスケール
フィリピンで用いられている温帯低気圧の強度を測るスケールは以下。

(Tropical Cyclone Intensity Scale)では、カテゴリーと風の強さは以下

階級 最大風速
スーパー台風 ≥119 knots ≥220 km/h(61m/s)  
台風   64–119 knots 118–220 km/h (33m/s-61/s)
熱帯低気圧(強) 48–63 knots 89–117 km/h (25m/s -33m/s)
熱帯性低気圧 34–47 knots 62–88 km/h (17m/s-24m/s)     
熱帯低気圧(弱) ≤33 knots ≤61 km/h (17m/s 以上)

ちなみに以下が日本の場合
階級 最大風速
強い         33m/s(64ノット)以上~44m/s(85ノット)未満
非常に強い 44m/s(85ノット)以上~54m/s(105ノット)未満
猛烈な 54m/s(105ノット)以上
出典:気象庁ホームページ (http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/typhoon/1-3.html)「強さの階級分け」(気象庁ホームページより)

2013年にフィリピンの中部を襲った台風ヨランダは、勿論スーパー台風という区分。瞬間最大風速が90mにも達したとか、被災者の話を聞くと強風と雨で一メートル先すら見えなかったというから、その破壊力は相当なもの。


スーパー台風がフィリピンを通過するのは稀ではあるものの、台風によっては大雨をもたらし、洪水を引き起こしたりするため、熱帯低気圧であろうとも油断は禁物。
停電のためローソクで対応

フィリピンの台風の名称
上記の区分により、熱帯低気圧から台風になり、フィリピンのエリアに入った時点でフィリピンでの台風の名称が与えられます。日本では台風○号、など番号ですが、フィリピンでは人の名前。今回はNONA。フィリピンの台風の名称はアルファベット順に付けられます。

実はNONAになる前はNONOY。何故名称を変更したのか?それは、故アキノ上院議員(現大統領のお父さん)のニックネームと同じであったためです。
すぐに気がつこうぜ!という感じですが・・・名称に関するあれこれは今回に限った事ではありませんでした。

2006年の台風グレンダの元々の名称はグロリア、時の大統領グロリア・マカパガル・アロヨ大統領の名前。台風がもたらすダメージを考えると、大統領の名前などと同じくさせるというのは何とも・・・それとも意図的に何か含みを持たせたかったのか・・・真相は分かりませんが、NONA確実にビコール地方を横切ろうとしています。

シグナルとそれに伴う措置
また、台風をシグナル別に分類しているのが以下。

シグナル1 風速 30–60 km/h (20-37 mph) 36時間以内に発生
シグナル2 風速 61–120 km/h (38–73 mph) 24時間以内に発生
シグナル3 風速121–170 km/h, (74–105 mph) 18時間以内に発生
シグナル4 風速 171–220 km/h, (106–137 mph) 12時間以内に発生
シグナル5 風速 220 km/h以上, (137 mph) 12時間以内に発生
出典:フィリピン政府ウェブサイト(http://www.gov.ph/crisis-response/the-philippine-public-storm-warning-signals/)
「The Philippine Public Storm Warning Signals」

シグナル別に想定するダメージも記載しています。これは台風が動くとともに、レベルもアップグレードあるいはダウングレードされます。庶民はこれらの情報を元にして、今はシグナルが何で、どこにおり、どんな被害を及ぼしているのか想像します。

またこのシグナルに合わせて、休校などの措置が取られます。シグナル1で小学校が休校、2で小学校と高校(フィリピンには中学がありません)そして3以上で大学を含む教育機関が休校になります。

今日は休校になったわけですが、まだシグナルは3のレベルには至っておらず、これなら学校で授業ができたじゃないか!と思うわけですが、針路を見るとこの地域に直撃する様子。そのため知事は、各家庭で台風に向けての十分な備えが出来るように、またインフラが弱い地域での避難所の確保を十分にさせるようにとの理由の元、全学校の休校という措置を取りました。

ちなみに大体は知事のレベルで、しかし私の大学のある市は特別な行政都市なので、市長による決定が必要、そして大学としては大学長によるお知らせを待たないといけません。


出典:フィリピン気象庁(https://web.pagasa.dost.gov.ph/index.php/tropical-cyclones/weather-bulletin) 
「Track of Typhoon NONA」

現時点では、被害状況に関するニュースはありません。
ただ、台風的なまとまった雨が降りはじめました。風もざわざわ。フィリピン気象庁の発表した資料では、私の住む町に一番近付くのは翌早朝2時ごろ。携帯、パソコン、懐中電灯の充電、食糧の確保をして落ち着いて過ごしたいものです。

関連ブログ

スポンサーリンク

スポンサーリンク

0 件のコメント :

コメントを投稿

Subscribe