日本から離れて、日本を見つめる(1)

今日は、日本映画上映会と簡単な日本のプレゼンテーションを行う日でした。こうしたブログを書いている時は、念頭にいつも日本との比較、あるいはフィリピンとの比較があるわけですが、改めて自国のことを紹介してくださいと言われると少々考えます。色んな切り口がありすぎて・・・

上映映画は「天国と地獄」、上映後か前のプレゼンテーションは簡単な日本の紹介です。人口、国土、政治体制などの基本的な情報をwikiなどに譲り、基本的には主観的な日本の紹介です。時間がないので、2つの質問を設定して自ら答えるという形にしました。2つの質問とは、①日本とは■■■な国である。②日本を出てから、懐かしむ日本。

①日本とは■■■な国である。
発表の様子
発表の様子
この■部分に当てはまる言葉は死ぬほどありますが、今回は「曖昧さ」と「職人気質」という言葉に絞って、極めて主観的に説明をしました。
曖昧、国語辞典で意味を調べると1. 態度や物事がはっきりしないこと。また、そのさま。あやふや。「―な答え」2. 怪しくて疑わしいこと。いかがわしいこと。また、そのさま。
 日本人は曖昧な民族と言われています。いろんな場面で多用される、断定を避ける発言などが代表的、かつ批判の対象になる日本人の曖昧さなどではないかと思います。
 日本人の曖昧さの理由は恐らく、日本語が曖昧な表現を許容できる言語であるということ、そしてそれら人間の言語と思考を育む自然環境とそれに対する日本人の感性だと思います(あ、ちなみに私はとくにそれに対する学問的知識はありません。)妖怪などは、自然と人間の境界の曖昧さ故に存在していると思います。
 そして、日本語。前述しましたが、断定しない表現が多くあります。「かもしれない」「~ではないでしょうか」、政治家先生方が使う「前向きに検討させて頂きます」「回答いたしかねます」
 日本人は、「和を持って貴しとなす」民族。外国人にとっては、曖昧であっても日本人同士にとってはそうではなかったりします。
 曖昧さ、私はそれはそれでよいのではないかと思います。勿論、海外に行くとそれでは生き残れない場面に出くわしますが、一種の文化であると思っています。

②日本の何を懐かしむか?
オランダでのディスカッション

いくつかありますが、まずは「本」「土足厳禁」「順序を守る」こと。お風呂も好きですが、三つだけ挙げたらこうなりました。

本は、どこででも安価に手に入る、最高の娯楽だと思います。日本の出版書籍数はコミック、雑誌も含めると年間約7万6000点と言われています。勿論、よい書籍とそうではないものもありますが、それだけ出ているのだから、自分の興味にあった書籍に出会える可能性も大きいわけです。
そして、図書館などが登録すると無料で利用でき、好きな本の取り寄せなどのサービスもあるわけで、至れり尽くせり。日本に戻ると、読みたい本のリストを片っ端から制覇しようと試みます。こちらにも図書館はありますが・・・ほとんどオランダ語であるということが難点です。

ヨーロッパでは、靴のままお宅にお邪魔するということがほとんどです。アジアでは、靴を脱いだりしますが、同じ部屋に靴をはいている人がいたりして(笑)心の中で「お前も靴脱げよ~」って思ったりしたことがあります。日本では、一般的な家はほとんど土足厳禁なので、靴からの解放感がなんともいえません。しかし、今住んでいるお家は前に住んでいた人が靴を使っていたという絨毯敷きの部屋、靴かスリッパの使用は必須です。

日本ほど順番を守っている国を見たことがありません。フィリピンの高架鉄道でもラッシュアワーに限り、係員の指導で列ができていますが、それ以外の時間はプラットフォームに横に一列人が並んで、電車の停車と同時に最寄りの降車口に人が押し寄せます。乗る人も降りる人も押し合い、へしあい。「降りる人がいる」と叫んでも、基本的に皆無視(笑)日本的にお行儀よくしていたら、電車に乗れなくなるので、自分の身体を押し込むのですが、列がしっかりあったらこんなことにはならないのにといつもその光景にやれやれという思いがします。

約1年住んだシンガポールでは、電車の乗り降り、車内のマナーについて「Love your ride」というキャンペーンがされていました。順番を守って乗車しましょうという呼びかけに、私が滞在した2010年はまだそれを守る人とそうではない人の差が顕著でしたが今ではどうなのでしょうか。ちなみにこのキャンペーンのyoutubeはかなりお気に入りです(笑)。ここオランダ、鉄道については列なるものはありません。日本のように混雑しない場所に住んでいるからでしょうが、個人的にはやはり列が欲しいとおもってしまいます(笑)

プレゼンテーションは、頑張って30分でコンパクトに終わらせました、何せ映画の視聴時間が長くなるので(汗)プレゼンも、映画も楽しんでくれたようでよかったです。興味深かったのは、映画のあとのディスカッション。映画は長かったもののストーリーが進むにつれてキャラクターの人物像がどんどんとあぶり出されていく様子が、おもしろかったというものと、映画が倫理的葛藤と探偵的要素に分かれており、双方が別の映画としても存在し得るのではないかと言う感想も聞かれました。

誘拐の動機が「金持ちへのやっかみ」というのは弱いという指摘もありましたが、人物像をみていると決してそれだけとは言い切れない過去が推測され、意見がわかれました。しかしなんだかんだ今回、結構黒沢映画が見られていることが分かりました。

結論、日本は「アニメ」の国とだけ認識されてはいないようです。

 よかった。

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