仕組みが利用されるときー優先開発補助金(pork barrel)、フィリピンでの汚職

物事の仕組みを知っていて、損か得かと聞かれれば、絶対得です。そして、仕組みを作れる人、あるいは仕組みをうまく活用できている人たちは、安定した生活を送っています。ビジネスなどは最たるもののように思います。しかし、これは悪いことにも活用できるということを時にニュースなどを見て思い知らされます。

フィリピンで、昨今話題になっているのが100億ペソの優先開発補助金不正受給の発覚。100億ペソというと日本円にして約223億円・・・というからその桁違いの詐欺事件にあっけにとられます。

フィリピンでは優先開発補助金、通称pork barrelという国会議員が自由にできるお金が存在します。上院議員で200万ペソ(223.962504 円)、下院は75万ペソ(167.971878 円)ほどといいます。

フィリピンの国会議員はそれらのお金を使い、学校やコミニティセンターを建てたりするわけですが、公金の使用にも関わらず、校舎にはその議員の名前がでかでかと書かれていたり、ストリーマーに写真を入れて、出来上がった建物を宣伝したりと、日本人の感覚のみならず良心あるフィリピン人からも不評なアピールをします。元々あまりよい使われ方をしていなかったpork barrelでしたが、そのお金が一人の女性、ジャネット・ナポレスという女性によって不正に使われたと言います。ナポレスは、いくつかのNGOを立ちあげ、幽霊プロジェクトから助成金を申請、そこにお金が落ちるような仕組みを作り、過去数年にわたり富を増やしてきました。

問題の発覚の発端は、彼女の説明出来ない富です。銀行に預け入れたら足が付くお金。現金で持って、それを使い海外にも物件を所有し、車などを購入していったようです。

優先開発補助金は30年以上も汚職の源泉になることが指摘されていましたが、思っていたことが現実となりました。しかし、発覚以前からもしかしたら不正受給と利用は行われてきたのではと個人的には思っています。ちなみに現在国会議員の2人だけがそのpork barrelの使用を自ら禁じております。この問題に取り掛からないことにはアキノ政権が掲げている汚職の撲滅からははるか遠くだと思います。

しかし、仕組みを利用して223億円ものお金をだまし取るというのは何とも怒りや驚きを通じて、ここまでになるまで気がつかないことにあきれます。仕組みを知る人間にまんまとしてやられたわけです。ちなみに、ジャネット・ナポレスは兄弟ともに現在逃走中。お金はふんだんにあるので、整形でもしてますます本人の足取りを追うのが困難になるのではと思います。家族もいるためいつかは捕まると思います。悪事は必ず露見し、必ず身に返るのです。 

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