ストロベリーアイスクリームに誘われて

 フォーディズマーチの1日目、昨日はあまりの暑さに思わず大学の図書館に逃げ込みました。こちらの夏は湿度は高くなく、30度を超える気温となっても汗はあまり書きません。そして、風がいつも吹いているため暑いのになんとなく涼しい気候であるため、衣類の選択に少々困ります。
 図書館でひと仕事して、家に戻ってもまだ暑いため再び図書館にもどることにしましたが、しかし夏休みの期間のため図書館は夕方5時で閉まってしまいました。普段は10時まで開いているというのに、知らずに行ってガッカリでした。せっかく図書館まできたものだからと外のテーブルに腰を下ろして、少々涼しくなった風を受けながら本を読むことにしました。しばらくすると、友人が図書館の前の道を通ったためその流れで話しをして、家に誘われました。

 彼らはムスリムで、断食の月である今は日が暮れる夜10時以降ご飯を食べるので、一緒にご飯でも誘われました。ご飯は食べ終わっていたものの「一緒にストロベリーアイスクリームを食べよう」という一言に押され、彼女のおうちにお邪魔することにしました。食べ物につたらた(笑)ということとムスリムの彼女がどういうふうに断食明けの食事をとるのか気になっており、よい機会におもわれました。

 自転車で彼女の家に向かう途中も、イスラムの人たちが実践するように求められる5行について説明してくれました。信仰告白(シャハーダ)、礼拝(サラー):一日五回、キブラに向かって神に祈ること、喜捨(ザカート):収入の一部を困窮者に施すこと、断食(サウム):ラマダーン月の日中、飲食や性行為を慎むこと、巡礼(ハッジ):マッカのカアバ神殿に巡礼すること。巡礼(ハッジ)は発展途上国のムスリムにとっては夢のような話です。なので、巡礼に行くことができるというのは宗教的な意味合いの他、一種のステータスのようなもので、フィリピン滞在中は巡礼に出かけた人は帽子をかぶっている姿をしばし見かけましたが、イスラム教で巡礼後服装を変化させる必要はないのだとか。
 
 現在は断食月、慢性の病気の人は免除されるものの、治る見込みがある人は病気の治癒後その実践できなかった期間を当てます。生理中の女性もそうです。望ましいのは、次のラマダーンを迎える前に、前回の実践できなかった日数分、断食を実践することです。病気などの身体的な理由で止むおえない事情で断食ができない人は、貧しい人たちに食事を与えるなど代替行為をするそうです。インドネシアの場合だとそうした団体があるため、そこに寄付をすれば団体が助けを必要としている人に食べ物などを配布してくれたりするようです。勿論、直接助けを必要としている人たちにアプローチすることもできるそうです。しかし、この行いは喜捨(ザカート)とは異なります。

 家に到着すると、彼女の使用しているコーランを見せて貰えました。今まで見てきたコーランは百科事典のような大きなサイズのものばかりで、コンパクトでインドネシア語との対訳が付いているコーランを見ながらポケットサイズの聖書のような印象を受けました。彼女いわく、落ち込んだり、悩んだり、気が晴れない時などコーランを読むことで気分が落ち着くそうです。

 日が微妙に短くなりつつある7月、それでも日が沈む時間は夜の10時。インドネシアのムスリムの友人たちからすると、自国の断食よりも長い断食時間です。夜通し起き、仕事に差し支えないリズムを作りながら過ごしている彼らの生活の一部をみることができました。
 

 



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