フィリピン独立記念日ーオランダで独立記念日を祝う

6月8日、フィリピン独立記念日ピクニックがあり、フィリピン人とオランダ人のカップルに車で連れて行ってもらいました。お祝いは週末に充てるため今日でしたが、実際は6月12日で、フィリピンでは祝日です。

至るところにフィリピン国旗が掲げられていました

1898年6月12日はフィリピンが長き300年以上にも渡るスペインの植民地統治から独立を宣言した日です。現在のフィリピンの独立記念日です。1961年に大統領となった、前大統領グロリア・マカパガル・アロヨ大統領の父であるディオスダド・マカパガル大統領によって変更されるまではアメリカの独立記念日と同じく7月4日でした。


この日を祝うべくオランダ中からフィリピン人とその家族がが集まってきました。家族で楽しめるよう、ピクニックという形でイベントが組まれていたため、簡易テントが立ち並び、バーベキューを楽しむ家族が見られました。

 広いキャンプ場にはフィリピンの商店が並び、飲食物や衣類、送金サービスなどのブースが立ち並び更には仮設ステージでは、フィリピンのバランガイ(フィリピンの行政単位の一つ)で見られるようなコミュニティタレントショーや、フィリピンから芸能人を呼んでコンサートなどが開かれていました。


食品ブースではフィリピンでお馴染みの食べ物、
スィーツ(ハロハロ、プト、レッチェフラン・・・)も
盛りだくさん
商店の一つ一つを覗くと、まさにフィリピンにいるよう。食べ物は、フィリピンの大衆食堂で見かけるメニュー、バロット(孵化直前のアヒルの卵を加熱したゆで卵)まで販売されているのは驚きました。フィリピンの製品、そしてそれを購入する人、人、人。イベント開催から、フィリピン人の母国への思いを感じます。
 
フィリピン大使館の大使、スタッフの方々にもご挨拶させていただきました。スタッフの方の数人はオランダに来る前は日本が赴任地であり、日本の思い出話など、以前お会いしたときに聞いたのですが、日本の文化や風土がよかったようで、日本で「計画して」生まれたお嬢さんには日本名を付けているほどで、驚かされました。


どこへ行っても食べ物が盛りだくさん。ブースのみならず、個人の簡易テントも、至るところで皆食事と会話を楽しんでいます。先ほどの大使館の方々のテントにお邪魔した際にも「食べていけ」とお皿を渡されました。

お昼にもりもり食べてまだお腹がいっぱいであっても、勧められたらありがたくいただくのが礼儀。お皿にちょびちょび盛りつつ、食べながら会話を楽しみます。夫は、やはり私と同じくお腹がいっぱいなものの、久しぶりの故郷の味ちょっと嬉しそうで、私よりも心持ち多めに盛ります。すすめられた料理の中でディヌグアン(Dinuguan:豚の血を使った臓物の煮込み料理)があり、オランダでこれを作れるとは、と驚きました。調理には新鮮な豚の肉が必要です。フィリピンではマーケットなどで豚を解体しており、その場で血が入手できますが、一体これはどこから手に入れたのだろうか?と驚きです。

歴史を振り返るとフィリピンでは、19世紀頃から新興有産階級が台頭し始め、スペイン留学などを経て高等教育を身につけた彼らが、19世紀後半革命の原動力になり、1896年に独立革命が起こりますが、敗北してしまいます。1898年には、フィリピン人による独自の議会開設と憲法制定を実現を果たしたものの、同年に起こった米西戦争によってスペインとの講和条約によりフィリピン領有権を獲得したアメリカ合衆国は独立を否定、米比戦争が開始されました。

フィリピン人たちはゲリラ戦でねばり強く抵抗したが結局のところ敗北し、アメリカによる植民地支配が開始されました。その後アメリカによる支配が続きますが、第二次世界大戦に入ると日本の占領下になります。日本の占領下、日本は民心をつかむため傀儡政権による名目だけのフィリピンの独立を付与するわけですが、日本による支配は連合軍によるフィリピンでの勝戦まで続きます。 1946年7月4日にフィリピンは主権を回復します。フィリピンの独立を約束していた国がアメリカ故、アメリカの独立記念日の7月4日がフィリピンの独立記念日となりましたが、前述の通り現在は6月12日です。

ある研究者は、フィリピンの革命は未完の革命と言います。スペインから独立を果たしたもののそれは、独立運動の成功によるものではなく、統治する国がスペインからアメリカに変わったのみ、戦中は日本に占領、戦後も強くアメリカの影響を受けます。それら歴史を振り返って、諸外国によって翻弄されてきた国が得た独立の重みを少しばかり感じます。というもののイベントは純粋に皆ピクニックをのんびり楽しみましたが、故郷から遠く離れても国を想う気持ちや、コミュニティの連帯を保つフィリピン人社会を海外にいるからこそ、強く感じたのでした。
 

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