原色のコスタリカ

家のベランダから見えた夕日
ハードディスクの写真を整理していたら、数少ないコスタリカの滞在写真が出てきました。滞在中、私の簡易デジタルカメラ(解像度が低いシンプルなカメラ)は登下校で突然降った大雨の故、持ち主ともにズブ濡れになり、持ち主は風を引いただけでしたが、カメラは壊れてしまいました。壊れる前に撮影した手元に残るわずかな写真。それらをながめながら原色に溢れるコスタリカを思い出しています。

ここオランダでは5月に入っても曇り空が続き、1962年の平均気温6.5度に次いで寒い春を迎えているので、温かい南の国を懐かしく思い出します。


原色の自然

コスタリカのホームスティの家から見た夕日。燃えるようなオレンジ色、そのすぐあとに迫る灰色の厚い雲に覆われ、あっという間に暮れる夕日にため息をつくのも束の間、見上げれば満点の星空。大学院のある小さな街で過ごした6ヶ月は、自然を日常的に感じる毎日でした。



私の滞在したお宅は、街から少し外れた場所にあり、小高い山の斜面を削って建てられた場所。その為少し山あいに入るとバナナの木などが生い茂っています。メインゲートに続く坂道には、丈の低い木が生え、ハイビスカスなど南国特有の花が年間を通じて咲いています。
部屋の窓から庭を覗くと、リスが木々を忙しく渡っていく姿が見え、レポートの提出で追われる忙しい気持ちを和ませてくれます。
 ホストマザーは、庭で嘴の大きなオオハシ科の鳥を幾度となく見たことがあると言います。


学校内ののどかな風景

ある朝通学すると木の下に複数の生徒が集まっているので駆けつけ見ると、木の上になまけものが座っていました。大勢集まる人間を全く気にかけることなくゆったりと木のてっぺんに腰掛け、午前中の授業いっぱい同じ木に座りくつろいでいました。

毎日通った道


ゴキブリ?ではなかった・・・

ある日、滞在先の私の部屋で図鑑やテレビなどでしか見かけたことがない生物に遭遇しました。

日が暮れて家に帰って部屋を開けた時に足に何か当たった感触を感じました。私は整理整頓をきっちりやらないといけない性分なので、部屋をあけてすぐの場所に物を置いたりしません。なので、足に当たった何かに嫌な予感を覚えました。頭を巡ったのは、コスタリカに来る前にテレビ番組で見た蠍でした。

私の予感は当たり、部屋の明かりをつけるとハリを持ち上げてこちらに直進してくる10センチほどの黒っぽい生物が見えます。
思わず悲鳴にならない悲鳴をあげると、ホストマザーが駆けつけてくれました。ホストマザーは蠍を一瞥するや、早々に階段を下り、再度上がってくる時には箒とゴキブリ用スプレーを手にしていました。間髪をいれずにゴキブリ用スプレーを蠍に噴射。悶える蠍(!!)そして、箒でばしばし叩きます。ゴキブリ退治と同じ要領・・・私が唖然としている間に蠍退治は完了しました。

慣れた手つきに思わず拍手。ホストマザー曰く、恐らく洗濯物に入っていたのだろうとのころ。もちろん、その後一週間はタンス・布団、ありとあらゆる場所をチェックして蠍の有無を確認したのでした。自然と共に生きるというのはこういうことか・・・と改めて感じたのでした。

ちなみに蠍の毒は誇張され気味ですが、実際人を殺せる毒を持つのは種の中のわずか2.5%ほどだとか。私が出会ったのは勿論そうではない種。しかし、アレルギー反応で死に至る可能性もあるので、侮れません。



コスタリカの自然公園

6か月のコスタリカ滞在は、大学の課題に追われクリスマスの休暇を除いてはそれらしい旅行をすることなく、過ぎてしまいました。何とも悲しい限りでしたが、唯一行ったのが自然公園+温泉。コスタリカはエコツーリズムが盛んです。

自然公園をひたすら散策します。ガイドが生息する動物、植物について説明してくれます。森を散策していると、葉っぱに小さな蛇がくっついています。鮮やかな黄緑の蛇は猛毒なので注意するようにと言われましたが、うっかり触ってしまいそうな距離にそうした生物が生息していることに森林散策中はどきどきしました。

12月~1月は風が強く、標高1,000mあたりにあるために肌寒いコスタリカでしたが、自然を近く感じました。いつか母校に戻る日までコスタリカの風景を記憶に鮮やかに留めたいと写真を見ながら思いました。








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