フィリピンの新しい観光誘致プロモーションビデオの波紋

119回目のフィリピン独立記念日の6月12日、フィリピン観光省から新しい観光プロモーションビデオが発表され、話題になっています。
まずは、1分ほどのビデオをご覧あれ。

https://www.youtube.com/watch?v=k6w7fwDrIzo
"SIGHTS" TVC 60s (Department of Tourism - Philippines)

Department of Tourism - Philippines
"SIGHTS" TVC 60s (Department of Tourism - Philippines)、youtube ビデオスクリーンショット
フィリピン観光省:https://www.youtube.com/watch?v=k6w7fwDrIzo





話題となった理由は、南アフリカのプロモとの酷似。そして、フィリピンでは略称でPWDと呼ばれる障がいがある人の旅がフィリピンで可能であるのかという議論。更にプロモーションとしての一貫性はどうなのか、これは検証されるべきでしょう。


南アフリカとのビデオの酷似

ネチズンはフィリピンの観光省が南アフリカのプロモを「真似た」と酷評。著者も南アフリカのビデオを観ましたが、コンセプトは真似たと言われても仕方がないほどのでき。特にビデオの終わり方、白杖を取り出し歩きだしビデオでフォーカスされていた人物が視覚障がい者だと明らかになるシーンなどは、全く同じ。





フォーカスされていた人物は両者ともに男性、そして一人旅。美しい自然をフィーチャーしたビデオは両国の魅力にあふれていますが、南アフリカのビデオを観た後ではかなりのガッカリ感がフィリピンのビデオにはあります。


リタイヤした人をフォーカス?

あえての違いをあげるならば、フィリピンのビデオの男性は、リタイヤした人で、老後をフィリピンで過ごしているであろう人物。フィリピンではフィリピン・リタイアメント永住権ビザがあり、それらのビザを取得し、年金で悠々自適に生活する日本人退職者もそれなりの数存在しており、フィリピン政府も誘致を行っています。

フィリピン退職庁には、日本語のウェブサイトもあり、日本語はなんとも不自然なものの積極姿勢が見えます。ただ、このコマーシャルが本当にリタイヤ層を狙ったものであるのかはわかっていません。


フィリピンはPWDに優しいか?

建物は基本的に車いすの人でも入場が可能なようにスロープがあります。そして、必ず車いす使用者の人が駐車可能なスペースも確保されています。しかし、道は歩行者一般にも歩きやすく作られていません。

まず、道幅は狭く、車が限りなく歩行者すれすれを走る場所もあります。段差が激しい上に、時に予想もしない場所に穴があいていたりします。水はけが悪いので、気をつけていないと水たまりに足を突っ込んでしまうことも。

マカティやグローバルシティなどの場所を除けば例外なく、上記のような状況が広がっています。車いすや白杖を利用する人たちには優しい作りにはなっていません。悪いところばかりかきたてましたが、システムや設備はいまいちなフィリピンですが、妊婦や重たい荷物を持っている人をみると自然と助けてくれるような人が多いもの事実。

プロモーションの一貫性は?

つい3ヶ月前、Anakというタイトルで新しい観光ビデオを作ったばかりのフィリピン観光省。「家族」のような人とのつながりをプロモの根底に置きたいようです。ビデオの男性の語りの最後は、You don't have to see to feel you are homeと語り、Life feels better wht with Filipinoでしめています。前回のプロモはWhen You 're with Filipinos Your're with familyでしたので、やはり家族がテーマです。

"SIGHTS" TVC 60s (Department of Tourism - Philippines)、youtube ビデオスクリーンショット
フィリピン、ルソン島北部、世界遺産ビガンの街を歩くうちむら氏
フィリピン観光省:https://www.youtube.com/watch?v=k6w7fwDrIzo




フィリピン人は基本的に親しみやすい+地方に行かないとフィリピンの良さが見れないそしてそれらは少々アクセスしずらい場所にもあるので「人」を前面に押し出した観光誘致は、フィリピンを知るものからすると的を得ていると思います。そして、これまで海外に多くの人をOWF(海外労働者)として送り出してきた国らしい発想なのではないかと思います。

今回のビデオはパクリっぽいところが・・・というか、明らかなパクリが残念ですが、色鮮やかな南国の風景は多くの人を魅了するのではないかと思います。次回のビデオに期待します。









スポンサーリンク

スポンサーリンク

0 件のコメント :

コメントを投稿

Subscribe