鳴り響くサイレン:オランダの第一月曜日の昼間のテスト警報

オランダに暮らし数カ月経ちますが、どうしても慣れないのが毎月第一月曜日の12:00ジャストに鳴り響くサイレン。『ウゥゥゥゥー』という音に滞在初の月はドキリとしましたが、今も少々ドキッとさせられ、好きか嫌いかと聞かれれば、嫌いです。何が嫌かというと、静かな住宅地に不気味に鳴り響き、何か起こるのではないかと心理的に思わせるところ。



Waarschuwingsstelsel(警告システム)このサイレンは、オランダ語でWaarschuwingsstelselと言います。このサイレンを月一度鳴らす目的は、市民にこのサイレンの役割に関心を向けてもらうこと。このサイレンの発生源はオランダ国内で4,200箇所あり、オランダ住民が必ず聞こえる場所に設置されている、緊急事態のためのサイレン。

オランダが想定する緊急事態は、嵐、熱波、極端な降雪などの極端な気象、放射線事故
原発事故、伝染病や感染症、テロ攻撃、山火事(オランダ山ないですけどね)や有害物質などによる火災および爆発、洪水、サイバー攻撃など。この中で緊急性の高いものにあWaarschuwingsstelselが使われるといいます。このサイレンがもし、月初めの月曜日正午以外に聞こえたら、ただならぬ事態が起こっていることを意味するので家に入り窓やドアを閉め切ること。

2016年12月から、NL-アラートと呼ばれる警報が携帯端末に送られるシステムになり、今までのような一斉警報は最終的に廃止されます。サイレンの発信源であるスピーカーなどのメンテナンス費用の削減のためです。
オランダ政府によると年に2回、NL-アラートシステムが正常に作動しているのかを確認するため、オランダ政府はメッセージが送られます。

J-アラート(日本にも全国瞬時警報システム)
日本にも全国瞬時警報システム(J-アラート)があります。これは、通信衛星と市町村の同報系防災行政無線や有線放送電話を利用し、緊急情報を住民へ瞬時に伝達するシステム。
近年では2016年2月7日の北朝鮮によるミサイル発射で発動されました。

北朝鮮のミサイルが発射されてすぐ、消防庁の送信システムを通じて、市町村のJ-アラート受信機で送られ、屋外の防災スピーカーがあるいは、携帯電話会社のシステムを通じて、個人の子機が警報が鳴ったそうです。


どこに逃げるのか?

緊急事態が起こることなどは考えたくないものの、アラートが鳴った場合はどこに逃げたらいいのでしょうか。

想定される危機によって異なるので、なによりも正確な情報をいち早く入手することが肝要ですが、今日本で話題となっている朝鮮半島『有事』の場合、建物の中に逃げるのがよいと言われます。家の中ではトイレなどの窓がない、あるいは閉め切った個室に逃げ込む。
ミサイルによる攻撃が起こった場合(!)は、着弾後は風上に逃げ、ミサイルに搭載される可能性がある毒ガスなどから身を守ります。建物のそばにいないときには、なるべく身を低くして遮蔽物に身を隠すこと。爆発物が爆発した場合は、目を閉じ耳をふさぐこと。

いずれにしても、非武力的解決の道を徹底して探り、その努力を怠らないのが政治であり外交なので、この朝鮮半島の緊張状態が1日も早く解消されることを願うばかり。そして、そもそもの根本問題の解決が願われます。

しかし、このオランダの警報システムNLアラート、著者は一度も携帯電話に試験メッセージを受け取ったことはありません(汗)。


J-Alertの音はこのような音:http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/fieldList2_1/siren.wav

オランダ政府ウェブサイト:http://www.crisis.nl/

NL-Alert: http://www.crisis.nl/nl-alert

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