アメリカ・ファースト、オランダ・セカンド?(2) - トランプ大統領への提案

オランダ・セカンドへの反応

これを受けて、ドイツ、デンマーク、リトアニア、スイス、ポルトガル、モロッコもアメリカ新大統領を“歓迎”するビデオを負けじと製作しました。すべての国のビデオ閲覧しましたが、どの国も“紹介ビデオ”と名を打っているので、皮肉りつつもどさくさにまぎれて国を紹介しています。

ウェブサイト(Who wants to be a second)http://everysecondcounts.euでは、各国のアップされたビデオとリンクされており、最新の情報が見られます。

現時点でアップロードされたビデオをすべて観ましたが、その中で一番つぼを得ていたのがドイツ。オランダが始めたこと故に、まだオランダの発想力に感服(笑)ですが、ドイツ、ここまで皮肉を盛り込んだのが、なんとも痛い。





ちなみに、ドイツバージョンでは、冒頭がオランダへの悪口です。しかし、オランダの悪口のレベルが子どもの喧嘩ぐらいのレベルなのですが、一応このビデオメッセージ、オランダが始めたことなのでそれを認めていますが・・・

近隣の国同士で、挨拶のようにかわすお互いの国をなじるジョークが、まだコミュニケーションの潤滑油として機能しているところに、国境を接する国同士の成熟を感じてしまいます。

ビデオ―オランダセカンドの意訳

これはオランダ政府からのメッセージです。
敬愛なる、トランプ大統領、オランダ紹介のビデオへようこそ。

これは、とても偉大なビデオです。
これは、感動的であること請け合いです。

我々の建国の祖は、スペインと戦ったウィリアム・オレンジ公。
スペインは、全くの卑怯者。
彼らは、我々相手に80年間戦ったが、我々を打ち負かすことはできなかった、完全な負け犬。

我々は、オランダ語を話している。
この言語はヨーロッパでもっとも素晴らしい言語だ。
我々は、素晴らしい言葉を有し、(一方で)他のすべての言語は、それに失敗している。
デンマーク語は全く悲惨な様相だ。
ドイツ語においては、本物の言語ではない、全くの偽物だ。
これは、偽物の言語だ。

オランダ語は、英語とドイツ語の間と言われ、時に「それって言語なの?」と皮肉られるが故、
ドイツ語なんて言語じゃないと言っています。


我々は、Slagharenというポニーパークを有している。
これは、世界一のポニーパークだ。
本当だ。
そこにいるポニーはベストだ、本当に。
彼らに乗り、彼らともデートすることもできる。
彼らのつかみ取りできるよ。 (You can grab'em by the pony.*)

これはAdsluitdijk。
これは偉大な壁で、われわれをメキシコから来るすべての水から守るために作ったものである。
我々はすべての大洋を作った、いいかい。
すべての大洋、我々とメキシコの間にだ。
我々以上に大洋を作れるものはいない。
この大洋は大変大きく、月からでも見えるほどだ。
そして、我々はこの費用をメキシコに負担させた。

あなたには、トランプタワーがあるが、
我々には、リー・タワーがある。
彼は、あなたの大統領就任式で歌いたいと思っている。
素晴らしい歌声だ、彼を気にいるに違いない。

Lee Tower こと、オランダの歌手Leendert (Leen) Huijzer さん
これで、オランダ意外の人にも広く知られるようになりました。やったね、Lee Towerさん!



我々にはマドローダムがある。
これは、世界一のミニチュアタウンだ。
とても偉大だ。いや、小さい。しかし、偉大だ。
広場はとても小さく、これを埋め尽くす多くの人は必要ない。
とても素晴らしい。

この人物は、Gerry Elckhof氏。
12月に、我々はスキャンダラスな風習、ブラックピーターがある。
このイベントはあなたが今まで観た中で、もっとも侮辱的で、もっとも人種差別的だ。
あなたが気にいると思う。

我々は、あなたが冷やかしている身体に障害を持つ政治家がいる。
彼女の名前は、Jetta Kijnsma氏。
彼女は、おかしな歩き方をする大臣だ。
あなたは、彼女のものまねをして、周りを笑わせることもできます。
我々は、これを観るのが待ちきれない。

我々は、神が創造して以来、最良の税回避のシステムを有している。
これは、ただ驚くばかりだ。
あなたは、息子たちに彼らのすべての・・・失礼、彼らのビジネスをここへ置くべきだ。
あなたは全く税金を支払わなくてよくなるだろう。
ゼロだ。これは全くばかげている(ほどに素晴らしい)。

そして、最後に
大事なことだが、一つ言い残したことがある。
我々はとっても、アメリカに依存している。
もしあなたがNATOをめちゃくちゃにしたら、あなたたは我々の問題をまた再び大きくしてしまうだろう。
これらの問題は大きく、甚大だ。
これは本当だ。
なので、それはしないでほしい、お願いだ。

我々は、アメリカ・ファーストを完全に理解している。
しかし、我々はオランダ・セカンドと言ってもよいだろうか?

アメリカ・ファーストの行く末

ヨーロッパの人々は今まさに右派のポピュリズムの波にさらされています。ここオランダでは、自由党(Partij voor de Vrijheid, PVV)極右政党は、党首である下院議員のヘルト・ウィルダースの元に、反イスラム、移民の排斥を掲げて徐々に議席を伸ばしています。なので、実際は他国をなじっているところではないのですが・・・

こうした、シリーズもののビデオができるということはやはりアメリカの影響力は大きく、その一挙手一投足をヨーロッパも見守っているからに他ならないからです。

自国の経済再編などを掲げ、国際問題の関与を最小限にとどめようとするアメリカ・ファーストは、アメリカが再び「偉大」になることを妨げ、アメリカを「普通の国」にする方向に向かわせるのではないかと思われます。けど、今のところトランプ大統領はそんなこと気にも留める様子はないですね。



























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