アメリカ・ファースト、オランダ・セカンド?(1) - トランプ大統領への提案

アメリカ・ファースト!では、オランダ・セカンドなどいかがでしょう?

ヨーロピアンジョーク炸裂のこのビデオは、オランダからアメリカ新大統領「歓迎」のメッセージです。まず以下のyoutube ビデオを見てください。

出典:The Netherlands welcomes Trump in his own words
vpro zondag met lubach 

これは、オランダのテレビ番組が制作したビデオで、1月23日に公開されてから現在まで(2月5日)現時点で1,950万の以上のビューを記録しています。

Zondag met Lubachは日曜日に放送されるVPROのテレビ番組。30分の放映時間中、プレゼンターのArjen Lubachさんが、実際のニュースを風刺的に放映する番組で放送されたものです。


ビデオの流れ


メッセージでは、We(偽物のオランダ政府)がyou(トランプ大統領)に語りかけ、いろんな点から、オランダはアメリカ・ファーストであることをよく理解を示し、オランダ・セカンドの提案をしています。

ビデオの冒頭は、どれだけオランダが偉大であるのか、近隣のヨーロッパの国々をけなしつつ、語ります。そして、これまでのトランプ大統領発言を皮肉ったナレーションが炸裂。ビデオの冒頭では、オランダ政府からと言っておりますが、今のところオランダ政府からの正式な政府見解はなく、またアメリカからもありません(笑)

The Netherlands welcomes Trump in his own words
The Netherlands welcomes Trump in his own wordsのyoutubeビデオの冒頭
(c) zondag met lubach

「オランダ・セカンド」ビデオのポイント

1. 女性蔑視発言

「私ほど女性に敬意を払っているものはない」と言いながらも、下びた女性蔑視発言で、選挙期間中は特に女性の有権者の怒りを買ったトランプ大統領。共和党の候補指名争いでライバルだったコンピューター大手ヒューレット・パッカード(HP)元最高経営責任者(CEO)のカーリー・フィオリーナ(Carly Fiorina)氏への容姿を侮辱、「有名人には女はやらせてくれる」など・・・

トランプ氏の女性蔑視発言に対して、“(自称)オランダ政府”は・・・

我々は、Slagharenというポニーパークを有している。
これは、世界一のポニーパークだ。
本当だ。
そこにいるポニーはベストだ、本当に。
彼らに乗り、彼らともデートすることもできる。
彼らのつかみ取りできるよ。 (You can grab'em by the pony.*)

*の部分はトランプ氏の女性蔑視発言として取り上げられた、「Grab Them By The Pussy」という発言から来ています。意図的に訳しませんのであしからず。
これは、ハリウッドのゴシップ番組の収録前に下世話な男性の会話の一部なのですが、その会話の中で「スーパースターなら何をやっても許される」と女性有権者の怒りを買いました。そう思っていても、それを口に出してしまうところが、なんとも救われません。

ちなみにSlagharen (スラグハーレン)はオランダの遊園地です。今年3月31日にリニューアルオープンするのだとか。著者はこれが、世界一のポニーパークであるかは、わかりません(汗)

参照:http://www.latimes.com/politics/la-na-pol-trump-bush-transcript-20161007-snap-htmlstory.html
Slagharen


2. メキシコとの壁


ドナルド・トランプ米大統領は、メキシコとの国境に「通過不可能な具体的な障壁」を建設するよう、大統領令で命令。メキシコとの国境沿いに3000キロ以上の障壁を建設するというのは、トランプ氏の主要な選挙公約、その費用は概算80億ドル、あるいはそれ以上といわれており、これをメキシコに負担させるといっています。それを受けて・・

(c) zondag met lubach

これはAdsluitdijk。
これは偉大な壁で、われわれをメキシコから来るすべての水から守るために作ったものである。
我々はすべての大洋を作った、いいかい。
すべての大洋、我々とメキシコの間にだ。
我々以上に大洋を作れるものはいない。
この大洋は大変大きく、月からでも見えるほどだ。
そして、我々はこの費用をメキシコに負担させた。

Afsluitdijk、アフシュライトダイクはオランダの北海に面するアイセル湖と北海(ワッデン海)を仕切るための堤防で、その規模は世界一です。高潮による被害の防止と、干拓を行うためのこの事業は、北海の水位上昇の影響から守り、新しい干拓地を作りました。
1918年に始まったこのプロジェクトは、1989年にひとまず完成したことになっています。


3. 人種差別発言

お隣のメキシコに対して、イスラム教徒に対して、選挙期間中も過激でニュースとなりました。メキシコからの移民は犯罪と麻薬を持ちこんでいる。彼らはレイプ犯だ、我々の仕事を奪っている等。そして、先日撤回されましたが、イスラム教徒が多数を占める7カ国からの人々の入国を禁じ、大きな混乱と反発を引き起こしました。

彼は、Gerri Eickhof氏。
12月に、我々はスキャンダラスな風習、ブラックピーターがある。
このイベントはあなたが今まで観た中で、もっとも侮辱的で、もっとも人種差別的だ。
あなたが気にいることまちがいなしだ。

まず、NOSのニュースで働く一部オランダ領スリナム系のオランダ人ジャーナリストであるGerry Elckhof氏を紹介。そして、オランダで毎年12月5日に行われるシンタクロース祭りで、シンタクロースの従者である黒いピーター(Zwarte Piet)差別を巡っての議論が続いているが、それを皮肉っています。
>>オランダ人の人種差別―黒いピーターを巡って


4. 障がいのある人への差別発言


トランプ氏、選挙期間中に障がいを持つ米紙ニューヨーク・タイムズのサージ・コバルスキー記者を誇張された声音、腕の動きでまねる仕草をみせ、激しい反発にあっています。 その差別的言動への反応として・・・
我々は、あなたが冷やかしている身体に障害を持つ政治家がいる。
彼女の名前は、Jetta Kijnsma氏。
彼女は、おかしな歩き方をする大臣だ。
あなたは、彼女のものまねをして、周りを笑わせることもできる。我々は、これを観るのが待ちきれない。
Jetta Kijnsmaさんは、雇用・社会問題総局の副大臣を務めている、労働党の政治家。足の麻痺のため、補助器具を使っての歩行しています。堅実な仕事と気さくな人柄に、尊敬を集める人物と聞きます。(著者は一度ご本人にお会いし、一緒に写真を撮らせていただきました。)


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