子どもを育てるならフィリピン?!

フィリピンから日本に戻ってきた初日からよくテレビで観たニュースは、北海道男児失踪事件。極めて日本的なニュース報道で、色んな意味で日本に帰ってきたと実感しました。

1歳と4歳の姪っ子が0歳の姪っ子にミルクをあげている奇跡的な瞬間

行き過ぎた躾は戒められるべきものながら、ネット等で失踪男児両親へのこれも行き過ぎた書き込みや、憶測等異様な加熱を見せたことは特筆すべきことのように思います。また、メディアが国民を代表するかのように問い詰める報道が、とても不思議な感覚でした。

一方、この一件で「躾」、より一歩進んで「子育て」等に注目があたったということは意義深いことのように感じました。

今の日本の現状を見ながらフィリピンの子育てを19人の甥っ子と姪っ子と彼らの親との関係を見ながら考えたことをつれづれと書きたいと思います。


親のストレスがあまり溜まらない子育て


子どもを育てるなら、フィリピンはよい場所という声をしばし聞きます。それに少なからず同意します。

フィリピンの子どもが聞きわけがよくて、いつもイイ子にしているから親がストレスがたまらない、国がサポートしてくれるというわけでは決してありません(念のため)。

子育てはどこの国も簡単ではないものの、フィリピンではそのストレスが軽減される社会の仕組みと文化があるように感じます。

―厳しく「躾」しない―

上記のごとく子どもが振る舞っても「正しい」行動をするために「管理」はしません。こども何だから仕方ない、と思っている所があるようです。

クリスマスの準備をしている時に子どもが作っている食べ物に誤って足を突っ込んでしまったことがありました。
私が親だったら、「食べ物をもったいないことをした」「家であれほどあそぶな」とカンカンに怒るところですが、ちょっと怒って終わり・・・で、少々拍子抜けしました。
ダメなことはダメなこととおしえた方がよいのでは・・・と思うものの、「ダメ」とか「よい」という規範は各文化でことなります。


―従うべき子育ての決まりごとが日本ほど細かくない?―

日本では、●歳になったら、トイレが一人で行けるように、●歳になったらお箸を遣って。。。●歳で母乳は卒業とかいう話をききます。勿論、世代・地域によって違いはありますが、●歳になったら・・・という考え方は強いと思います。

フィリピンでも初めて子育てを経験するママさんは、そういうものをネット等から仕入れては実践しているようですが、田舎の方では、「世間一般」に従うというよりは、子どものニーズに合わせているといるように感じます。

小学校に入っても親にトイレを手伝ってもらう(フィリピンの田舎の方では大をしたあとは水で洗浄します)、食べ物を残しても親は怒らず、親が子どもの食べ残しを食べてあげる・・・等。驚いた話は、友人は小学校の3~4年生まで乳離れ出来ていなかったとのこと。親も流石にいけないと思って乳首に唐辛子を塗って、乳断させたのだとか。けど、乳離れしない子どもを頭ごなしに叱ったり、否定しない所がフィリピン的・・・

―姉・兄が弟・妹の面倒を見る―

子どもが沢山いるなんて大変!とはならない仕組みがフィリピンにはあります。子どもが4、5人いる家は長男や長女と末っ子の歳の差が10歳以上というのはざら。なので、特に(しっかりものの)長女に母親を任せ、母はリラックス。

また、親族と生活している場合は年の離れた従弟がかわいがってくれたり。実際、甥っ子一番上と下の年の差は26歳。親子並みの年の差であり、子ども慣れしている年長の甥っ子に面倒を見てくれるようにお願いすることはそれほど難しいことではありません。

これが、子どもにとってよいのか、それは分かりません、何分親の目が届かないということが当たり前になってしまうから。ただ大人数の中でいることで、幼稚園入園前から他の人と共に過ごすことに違和感を感じることがなくなります。

甥っ子と姪っ子の一部

―家政婦さんを雇える―

極めつけはこれ、家政婦さんを雇えること。費用は2,500~4,000ペソ/月。勿論、フィリピン月の給与が10,000~15,000ペソ程の家庭には大きな負担となりますが、彼らが共働きの家庭を助けます。
奥さんのみに掛かる育児と家事の両立の大変さはこれでかなり軽減されます。(*しかし、実際雇う上での問題点はいくつもあります!。これはまた別の機会に説明します。)

余の自由さに躾をしはじめる叔母さん(私)

親は何の注意も指導もしないので、甥っ子姪っ子たちにことあるごとに指導する叔母さん(私)。

「ゲーム時間が長い」「ゴミを至る所にすてるな」「掃除しろ」「トイレは使用後流せ」などなど。理由も説明しながら、指導しないといけないのだけど、こういうのって本当は私の責任じゃない!けど空間を共にするものとして最低限のことは言わないといけないのが困りもの。

だって、多い時には1ダースの子どもたちが同じ屋根の下で一ヶ月以上生活するのですから!

私は日本人なので、やっぱり子どもたちに「上記」のように指導(笑)します。ただ、子どもの数が多い親は、正直そこまで細かく言っていたらノイローゼになってしまうかも。数年暮らしても、フィリピン流に慣れるには時間がかかります。




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