フィリピン三大祭り、シヌログ(Sinulog)祭をフィリピン国外で

シヌログ(Sinulog)祭は、フィリピンのセブ市で毎年1月の第3日曜日に開催される、幼き頃のキリスト像であるサントニーニョへの信仰するカトリックの祭礼です。毎年100万人以上の国内外から人々が参加するフィリピンを代表する祭り(フィエスタ)の一つです。

シヌログとは、幼少のイエス像を祀る儀式の時の「波の動き」を模したダンスのことです。


祭りはフィリピン人のいる海外のコミュニティでも行われています。本日は数か月準備したシヌログ(Sinulog)祭の当日でした。参加者であるフィリピン人コミュニティの人々は大いに楽しみました。

オランダのシヌログ祭りは大きく3つのパートで構成されています。まずは、プロセッション、ミサ、そして文化の夕べです。
オランダのシノログ祭りの様子
オランダのシノログ祭りの様子


プロセッション

朝は、全体10:30に教会前に集合、教会の周辺をこの教区の守護聖人マリア(イエス・キリストの母)と、フィリピンセブ島の守護聖人幼少期のキリストの像を載せた台車を押し、列の先頭を行く神父さんの祈りに合わせ、カトリックの祈りの一つ「主の祈り」を皆で唱和し、祈りながら町内を練り歩きます。教会周辺を回るだけですので、ものの10分ほど。しかし、厳かでありながら、楽しげに歩く姿はやはりフィリピン人。本場のフィリピンでは勿論もっと長い道のりを時間をかけて回るのですが、ここオランダでは象徴的に行います。

ミサ

そのあと、シヌログ祭の特別ミサが持たれました。通常のミサと異なる点は、オランダ地元の信者の参加があったこと。このシヌログ祭を祝うのと教区の守護聖人マリア、特に今日はマリア7つの悲しみの記念日ということもあり、それらの意味を持ったミサも同時に行ったためであります。また、恐らくですが、この厳かな催しが地元に定着しつつあるのではないかと思いました。
オランダのシノログ祭りの様子(フィリピン国旗とオランダの国旗が掲げられている)
ミサを執り行った神父さんは、説教で7つの悲しみをもつ母マリアと幼少期のイエス・キリストをオランダとフィリピンを比喩し、オランダでのキリスト教が世俗化の中で徐々に失われつつあることをイエスを失った母マリアに喩え、またフィリピン・セブ島からもたらされた幼少のイエスを新しい命の象徴としてオランダに迎え入れられたことを喜んでいるようでした。

オランダ南部地域では、カトリックの家庭に生まれ、幼児洗礼を受けても年齢とともに教会に行かなくなるばかりか、教会に対する否定的態度を持つに至ることがあるのはしばしば。こちらで教会に毎週通うのは大体は65~70歳台のご年配の方たちばかり。一方、フィリピンはカトリック教会そのものも非常に活発であり、またミサの参加者数も多いため、こちらに来てもなお熱心にミサに参加するフィリピン人の存在は、教会にとっては非常にありがたい存在のようです。同神父さん、英語とオランダ語の両方で説教を語ってくれました。


文化プログラム



文化プログラム
ミサの後の文化プログラムでは、フィリピンのとりわけセブのダンスや歌が披露されました。シヌログ祭で見られるシヌログダンスは、川の流れを模しており、前後にステップを踏む極めて簡単なもの、会場にダンスの参加を募りました。

会場は多くのフィリピン人とその配偶者、親族で埋められていましたが、町役場から代表、そしてフィリピン大使館からも大使が来ておられました。

会場のお手洗いでばったり大使にお会いしたのですが、まだ私のことを覚えてくれていたようです。トイレから出てきたばかりで、ご挨拶の握手の手が引っ込んでしまいましたが(汗)親しみを込めて話かけてくださいました。

文化プログラムで挨拶されたフィリピン大使
文化プログラムで挨拶されたフィリピン大使

‐大使からの挨拶のひとコマ-

冒頭の主催者からの挨拶で、会の開催を祝うのと同時にまた現在フィリピンで大きな政治課題となっている汚職、とくにポークバレルのような事象が起こっていることを遺憾であるとスピーチ中盤に述べられたことに対して大使は、事前に用意された原稿にはないものの上記コメントに対して、現政権の中心課題は汚職の撲滅にあり、政府としても最善を尽くしているので、政府に対する信頼を失わないでほしいと、言っており私は非常に見事な切り返しで、さりげなく政府の努力、とりわけ現時点でシリアに滞在するフィリピン人保護などにも力を入れていることもさりげなくアピールしていました。同じアピールでも町役場からの人は自分の出身政党の宣伝までしており、こういうのはどこの国も同じなのだなぁと思った次第です。

開催地は変われども、基本は沢山食べて、踊って楽しむというフェスティバルの要素は失われていないわけで、フィリピン人健在ということを改めて知ったわけですが、いずれにしても準備に関わった皆さまにはひとまず、お疲れ様と言いたいです。

スポンサーリンク

スポンサーリンク

0 件のコメント :

コメントを投稿

Subscribe