折鶴ワークショップ-平和への願いを込めて

Facebook、インターネットのニュースで私が勤務していた地域、特に飲食店が多くにぎわっている地域での爆破事件があったことを知りました。爆弾が仕掛けられたすぐ近くに、私が勤務時に毎日のようにご飯を買いに出かけていたお気に入りのお店があり、多くの人が行きかっていたことが容易に想像でき、知人が撮影しFacebookに掲載している写真を見て、驚きと同時に一般市民に無差別に向けられた暴力に心からの怒りを感じました。現時点では6名が死亡、そのうちの4名は現場で亡くなり29名もの負傷者を出したといいます。爆弾の威力のすさまじさを想像してしまいます。

昨日は日曜日の活動で、以前からリクエストのあった折り紙ワークショップを行いました。

あらゆる折り紙の一つの基本形を学んでもらうということで、鶴を題材に選びみなで折りました。

基本を学ぶことで今後色んなものが作れるということと、形としても美しく達成感を感じやすいというのが鶴を選んだ大きな理由ですが、他の理由としては、他のおりがみにはない意味づけがされているからです。病気からの回復、そして平和。

病気からの回復を願う、千羽鶴。鶴は千年、亀は万年という言葉からきているように、縁起ものとして考えられています。実際、鶴は20~30年しか生きないそうですが、野生動物としては長寿の部類にはいるのではないかと思います。
長寿の象徴であり、日本では縁起物です。(が、北欧ではあまり縁起がよくないのだとか・・)

そして、もうひとつは佐々木禎子さんの話。1945年8月6日、2歳のときに広島市に投下された原子爆弾によって、爆心地から1.7kmの自宅で黒い雨により被爆しました。しばらくは、元気にすくすくと成長したものの1955年1月にシコリがおたふく風邪のように顔が腫れ上がり始め、翌年2月に白血病であることが判明。1955年8月に名古屋の高校生からお見舞いとして折り鶴が送られたことがきっかけで、自身も鶴を折り始めたといいます。病院では折り紙で千羽鶴を折れば元気になると信じて鶴を折りつづけ、折った鶴は1000羽を超えたといいます。しかし、1000羽折っても病気が回復することはなく、同年10月25日に亜急性リンパ性白血病で短い生涯を終えました。

そんな話をしながら、折り紙ワークショップは、みな慣れないながらも楽しんで作っておりました。一羽目の鶴はなんとも一部の人を除いて惨憺たる様相でしたが、2羽、3羽と作っていくうちに形も整い、みな作品を気に入ったようで、お土産として持ち帰ったようです。日本語でのサインも頼まれました(汗)

こうしたワークショップなどを通じて、わずかながらも皆でオープンに平和・紛争などのテーマについて話していけたらと思っています。「平和」について考えるというと、日本という文脈においては、なにやら思想めいた、怪しい響きを持ってしまいますが、平和を限定した意味で考えると、自分の生命を脅かされることなく、安心して日々の生活を営めるような状態、当たり前に享受されるべき状況について考えることをいうのではないかと思われ、特別なトピックだとは私自身考えていません。紛争地に住んでいない日本人のような国籍の人たちは平和についてどう考え、行動するのかというと、私自身は仕事柄そういう紛争地に生きる人たちと一緒に働くことがありますが、そういう地域に身を置かない“日常”はニュース、そして、過去の紛争に注目し、軋轢や紛争を生むかもしない違いについて注意を払いながら、それらをまじめにしかし楽しんで学べる環境を可能な限り提案・提供することと現時点では認識しています。

来週は断食月を終えたムスリムの学生・研究者を招き、クリスチャンとの対話そして相互理解の場を作ることを企画しています。そして9月は国連平和デーを記念してのイベントを企画・検討しており、楽しみです。

8月、日本では広島・長崎の原爆投下、そして終戦記念日。他国からすると、日本の占領から解放された日で、今月はますます、戦争特に、過去の対戦について考える月となりそうです。

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