ジョージア

まだ新年を迎えてない？ジョージア人はクリスマスと新年を二度祝う

クリスマスも新年の祝ムードも一段落し、学校や仕事も始まる年明け。
しかし、ここジョージアではまだクリスマスも終わっていなければ、新年もまだ迎えていません。ということで、町はまだクリスマスと新年モード。

トビリシのルスタベリ通りのクリスマス・新年デコレーション
ルスタベリだけではなく、トビリシの主要な通りにはクリスマス用にライトアップされています。

ジョージアのクリスマスと新年はいつ

ジョージアにおけるクリスマスと新年は、他の多くの国と同じくクリスマスが12月25日、新年が1月1日です。その証拠に、12月25日のクリスマスを前後してクリスマスマーケットが開かれ、1月1日のカウントダウンは花火で盛大に祝われました。

ユリウス暦のクリスマスと新年

しかし、ジョージアではユリウス暦のクリスマスと新年も祝っており、むしろ1月7日のクリスマスと1月14日の新年が本祝いと言っても良いかもしれません。ユリウス暦とは、カエサルによって紀元前45年1月1日から実施された、1年を365.25日とする太陽暦です。365日を一年として、調整のため4年に一度、366日としています。日本を含めて多くの国で採用されているのがグレゴリオ暦で、これはユリウス暦を改定したもので、どちらも太陽暦です。そうなると、同じ太陽暦で何が異なるのでしょうか。

４年毎に閏年を設けるユリウス暦と、4 で割り切れる年を閏年とし、その上100 で割り切れる年は閏年とはせず、さらに400 で割り切れる年は閏年とするとするグレゴリウス歴では、自ずとズレが生じてきます。クリスマスであるキリストの降誕祭は古代教会でユリウス暦の12月25日と定められましたが、グレコリウス暦とのずれによって、19世紀では1月6日、20世紀と21世紀では1月7日、22世紀では8日となります。つまり、古代教会で祝われていた日にちで祝おうとする、正教会の伝統の故です。ちなみに、イエス・キリストの生誕の年号と月日はわからないとのことです。

クリスマスをどのように過ごす？

1月7日深夜のミサがあり、信者たちによって祈りが捧げられ、キリストの生誕が祝われます。ジョージア正教の信者は夜通し祈りをささげる人もおり、人によっては朝の3時、4時まで教会にいるそうです。また、新年ほどの激しさはありませんが、大玉の花火もところどころで打ち上げられていました。

日中はトビリシ市内のメインの通りであるルスタベリ通りは封鎖され、パレードが行われます。パレードは、Alilo（クリスマスキャロルの意味）と言われ、子どもから大人まで衣装を纏い、あるいはジョージアの国旗を掲揚し、ルスタベリから自由広場を通り、至聖三者大聖堂（Holy Trinity Cathedral）の道のりを行進します。

Alilo  2019年1月7日 

夜は家族でクリスマスを祝います。ジョージアのクリスマスディナーはナッツ類を多用した伝統的なジョージア料理によって祝われます。そのため、クリスマスから新年の時期にはスーパーマーケットでナッツ、特にくるみが山高に積まれており、客が大量に購入する姿も見られます。一度パーティが始まれば、乾杯の音頭を取る「タマダ」により、幾度となく乾杯が続きます。

ミグレリアン料理のカルチョ(Kharcho)
ビーフをくるみのソースで煮込んだかなり濃厚な料理。

ジョージア的なクリスマスツリー

ジョージアのクリスマスシーズンになると路上で見かけるのが、チチラキ（Chichilaki）。乾燥したヘーゼルナッツまたはクルミの枝から作られたジョージアの伝統的なクリスマスツリーです。 大きさは20 cmから3 mに及ぶものまであります。グリアとサメグレロ地域で最も一般的といわれていますが、トビリシ市内の路上で販売されています。

ジョージアのクリスマスツリー、Chichilaki
淡い色のツリーはまるで雪に覆われたもみの木のようです

ジョージアのクリスマス・新年祝はグレゴリオ暦とユリウス暦の両方の影響で自ずと長くなります。グレゴリオ暦のクリスマスからユリウス暦の新年まで、親族や友人宅にも招かれごちそうを振る舞われるため飲食の量と回数は自ずと増します。

このようなクリスマスの雰囲気を楽しむため、冬場の観光のオフシーズンにもかかわらず観光客がみられました。この時期に中東で働くフィリピン人観光客の姿を幾度も見かけました。

ラディソンホテル前に設置された巨大なクリスマスツリー
クリスマスツリーの周辺には出店や子どもたちのための小さな遊び場が設けられています。

先程、ジョージア人の友人からクリスマスメッセージが届きました。ということで、改めましてメリークリスマス。

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