[ハーグ観光] ハーグ市立美術館(Gemeentemuseum Den Haag)でオランダ近代アートを愉しむ

オランダ絵画と言えば、『ひまわり』『ジャガイモを食べる人々』バン・ゴッホ、『牛乳を注ぐ女』『真珠の耳飾りの少女』のフェルメール、『夜警』のレンブラント、『ダナエ』,ヤーコブ・ファン・ロー・・・などオランダ美術の黄金期の画家たちの名前が挙がるかと思います。では、モンドリアンはどうでしょうか?

日本ではそれほど知られていませんが、モンドリアンは、オランダが誇る抽象絵画の巨匠です。そして、オランダで生活するものにとっては非常になじみ深い画家です。特にハーグはモンドリアンの描いた抽象画の模様にあふれています。

モンドリアンのコンポジション
モンドリアンのコンポジションがハーグの街並みに

モンドリアンのデザインがある風景

モンドリアンを知らないという人も『コンポジション』の赤、青、黄の組み合わせを目にしたことはあるはず。そして、ここオランダでは頻繁にそれらの色の組み合わせの商店のドア、ビルのデザインなどを目にします。さらに、オランダにはモンドリアンの名前を冠した学校があります。特に美術に特化した学校というわけではなく、高等教育の一部ですが学校の建物もコンポジションの組み合わせです。こうして、自然とオランダ人の生活の風景の一部になっています。

モンドリアン、デンハーグ市立博物館

 モンドリアンとは?

モンドリアン自画像
モンドリアン自画像

オランダ出身の画家ピート・モンドリアン(Piet Mondrian)は幼少期から芸術に触れ、アムステルダム美術大学で美術を学びます。しかし、その頃の絵は今我々が知る抽象画ではなく、美術館に展示されている赤い『mill in sunlight(1908年)』などの写実主義や印象派風の風景画。

その後、パリへ移住し、パブロ・ピカソなどからの影響を受け、またオランダではバート・ヴァン・デ・レックなどの前衛アーティストに出会い、その作風に大きな影響を受けます。その間作風は少しづつ変化を続けていきます。

パリが創作活動の拠点でしたが、第二次世界大戦のためパリを離れ、ロンドン、そしてニューヨークでその生涯を終えます。また遺作であり、モンドリアンのマスタピースである抽象画「ビクトリーブキウギ(Victory Boogie Woogie)」は、アメリカで描かれたものです。

モンドリアンの作品が観られる美術館

ハーグ市立美術館の内装
ハーグ市立美術館の内装


ハーグ市立美術館(Gemeentemuseum Den Haag)は世界最大級のモンドリアンのコレクションを所有しています。特に今年は、モンドリアンとテオ・ファン・ドゥースブルフ が中心となった前衛運動「デ・ステイル(新しい造形)」の100周年記念。

また、建物は1935年に建築家ベルラーヘにより建てられた直線と幾何学的模様が特徴のアールデコ調の同美術館には、パブロ・ピカソ、クロード・モネ、エゴン・シーレ、ワシリー・カンディンスキー、ルイーズ・ブルジョワなど、数多くのモダンアートの作品も展示されています。

ハーグ市立美術館
ハーグ市立美術館


抽象画ってよくわからない

抽象画ってよくわからない!というのが率直なところ。著者は同美術館を巡りながら、大学教員となるために課されたIQテストをみているような気持ちになり、パターンを見つけたくなる気持ちになりました。

抽象画は私たちが認識する日常の捉え方、そしてこれまで見なれてきた見たものを忠実にあるいそのごとく描こうとするのではなく、極端に抽象化する、あるいはモデルすらないということもあります。喜びが○だけで描かれていたり、動物がただの線であったり、まったく「?」だと思われます。しかもそれが○億円とか(汗)するようなものがあったりして驚かされます。そして、煙に巻かれてしまいます。

ただ、抽象画を見続けていくと不思議なことに、自分の好き嫌いが出てきます。そして、抽象画一つ一つのもつリズムを楽しめるようになってきます。抽象的であるが故、観る方に与えられた創造性、解釈の余地が抽象画鑑賞の魅力なのではないかと近頃思うようになりました。

ハーグ市立美術館には、モンドリアンの他様々な画家の作品、デルフトの陶器、銀食器、見事な人形の家など、さまざまな展示品があり、見応えがあるため半日ぐらい時間をとって出かけるのがおススメです。また、美術館の周辺には他3つの博物館・美術館もあり、平和宮(Peace Palace)からもそれほど遠くはありませんので、合わせての観光もよいのでは。

ハーグ市立美術館(Gemeentemuseum Den Haag)
ウェブサイト:https://www.gemeentemuseum.nl
メール:info@gemeentemuseum.nl
電話:+31 (0)70 3381111
所在地:Gemeentemuseum Den Haag、Stadhouderslaan 41、2517 HV Den Haag、オランダ
開館日:火曜日~金曜日:10:00-17:00
  土曜日、日曜日:12:00-17:00
休館日:月曜日
入場料:
大人:14,50ユーロ
CJP/学生 11,00ユーロ
子ども(18歳以下) /ミュージアムカード:無料





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