フィリピンのコミュニティ開発NGO- GK (Gawad Kaliga)のプロジェクト地訪問

前後しましたが、レイテ島の被災したコミュニティ訪問+滞在はGawad Kalinga(ガワッド・カリンガto give careと訳される団体、通称GK:ジーケー)に御世話になりました。現地訪問後、マニラの本部を訪問し、プロジェクトの詳細についてお伺いしました。以下はそのダイジェストです。

GK レイテ、ヨランダの後
オルモックに置かれた、GKコマンドセンター、学校を利用
GKはフィリピンで良く知られているNGOの1つで、この団体の多様な活動を一言で表すとコミュニティの総合開発を行うNGO、となります。その証拠に、彼らを有名にした家屋の建設を基盤とした総合的なコミュニティ作りは勿論のこと、子どもたちのための価値教育プログラム、健康、家庭菜園、環境、ソーシャル・アントレプレナーなどのプログラムがあります。

修繕が必要なコミュニティ内の建物


有名な家屋の建設を中心とするコミュニティ開発のプロジェクトは、まず各市の市長と協力体制を構築して、それから各市町村の中で貧しい地域のリストを作成。その中で更に雨が降れば洪水する等の危険がある地域の住人を割り出し、時には住民に移動をすすめたりもするといいます。そうして優先順をつけてから、住民にアプローチをしていくそうです。もちろん、GKのコミュニティに参加するか否かはコミュニティの同意次第。一度同意を決めたら、GKプログラムに参加すること、また家屋の建築に必要な時間のボランティア参加等が義務付けられるため、コミュニティでの合意が必要です。

Globeテレコムの寄付によって作られている家屋
一度参加を決めたら、住民はGKのオリエンテーション、それから価値形成のプログラムの受講。このプログラムは10セッション用意されていますが、それ以降も続きます。家屋建設のボランティア活動に参加することも義務付けられています。時間は1600~2000時間でこれは一軒の家が作られる際に労働として投下される時間から換算されました。

コミュニティではGKの有給スタッフがコミュニティオーガナイザーとして定期的に訪れて住民と対話し、時にはコミュニティで起こった問題を共に解決します。コミュニティの数に対してオーガナイザーの数は限られているため、各コミュニティの組織とボランティアの育成にも同時に力を入れていきます。

子どもたち向けのプログラムでは、年齢ごとに3グループに分かれます。幼稚園や奨学生の年齢に対しては、遊びの要素を多く取り入れたプログラムを用意し、高校生に対しては勉強をサポートするプログラムもあり、そこでスポーツを学問を頑張ることで大学からの奨学金を受けている学生もいます。大学生から25歳までは価値教育などを引き続いて行っていき、将来のリーダーを育成していきます。

この創設者、アントニオ・メロト氏は2011年に日経アジア賞を受賞しています。その表彰の理由はプログラムの一つにある社会的企業家育成です。これは地域のローマテリアルを学生や企業家によって市場開拓をし、パッケージングなどを手伝ってもらいながら、商品を市場に出していくプログラムです。
フィリピンには多くの多国籍企業があり、フィリピン人が多く雇用されていますが、将来は雇われるのではなく、国内で起業してフィリピン人がフィリピン人を雇っていく方向に向かいたいとしています。フィリピン人が会社を興していくことはこの国の特に貧困層に大きな影響を与えると思います。

今回の台風ヨランダについては、被災後すぐに現地に入りリリーフグッズの配付を行いました。現在はフィリピンの夏時期にあてて100万人のボランティアを国内外から動員して、97か所の街で家屋の建設を行うと聞きます。私が訪れたオルモックのコミュニティでは、Globe社が100戸分の寄付をしており、現在建設が進行中です。
今回の台風で、貧しい人はまた更なる貧困に陥ってしまいましたが、こうしたNGO等の活動が現地のニーズに応え、きめ細かな対応が出来るのではと思います。一軒の家屋の価格は同団体の計算では約30~40万といいます。

この団体は単純に寄付を受け付けません。寄付者も一定期間のボランティアに参加しないといけません。ご興味がある方は団体のボランティアコーディネーションまでお問い合わせ、あるいは(希望があれば!)ブログでもボランティア活動への参加をご紹介していきます。



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