[ジョージア] 迷宮のような洞窟都市ヴァルジア(Vardzia) 、ジョージアの地方観光名所

ヴァルジア(Vardzia) 洞窟都市は、独特の景観美とユニークな住居跡で観光客を惹きつけています。ジョージアのサムツヘ=ジャヴァヘティ(Samtskhe-Javakheti)地方、アハルティヘ(Akhaltsikhe)から約60キロ離れたクラ川の左岸に位置しているこの洞窟都市は、12世紀、外敵の侵入に備えて作られたものです。
ヴァルジア(Vardzia) 洞窟都市
ヴァルジア(Vardzia) 洞窟都市の外観
洞窟の建設の大部分は12世紀の後半に行われました。洞窟は約500メートルの崖に沿って作られています。当初、侵略から守るために岩の陰の影に隠れるように作られましたが、13世紀に起こった地震で、3分の2が崩壊し、内部が見えるようになってしまいました。最盛期には5万人の人が生活していたと言われています。16世紀にオスマントルコの侵略以降、洞窟都市の大半が放棄されました。
ヴァルジア(Vardzia) 洞窟都市
ヴァルジア(Vardzia) 洞窟都市

ヴァルジアの見どころ

ごつごつとした岩肌にいくつも開いた蜂の巣のような様相がヴァルジアに向かう道路から見えます。それを遠方から眺め見ているだけでもかなり興味深いのですが、手で掘られた跡が見え、その気が遠くなるような作業量に圧倒されます。
ヴァルジア(Vardzia) 洞窟都市 内部の様子
ヴァルジア(Vardzia) 洞窟都市 内部の様子
内部は暗いのですが、壁には蝋燭の蝋の跡が残っております。同地は、高地であるためトビリシなどと比較すると肌寒い場所であるため、いったいどのように冬を越したのか、気になります。
ヴァルジア(Vardzia) 洞窟都市 内部の様子
ヴァルジア(Vardzia) 洞窟都市 内部の様子

内部には当時の修道士が食事を取った場所、暖炉の跡、食糧庫、陶器の水道管、水汲み場、ワインを製造した際に使われたクヴェブリのツボも見られます。
ヴァルジア(Vardzia) 洞窟都市 内部の湧水

マリア永眠教会(Church of the Dormition)

洞窟内でもっとも神聖な場所は教会。この洞窟都市の中心地で、内部には手彫りの粗さは見られません。きけば、石を内部に積み上げてつくったのだとか。その大きさは、横幅8.2メートル、縦幅14.5メートル、高さ9.2メートル。一歩内部に足を踏み入れると、ひんやりとした空気が頬を撫で、厳かな雰囲気に気持ちが引き締まる思いがします。

Church of the Dormition
Church of the Dormition
 教会の内外の壁には、15世紀に描かれたフレスコ画が残されており、たび重なる外部から侵略でダメージを受けたものの、いまもその美しさをのこしています。

フレスコ画で描かれているのは、キリストの一生ー受胎告知、誕生、バプテスマ、から最後の晩餐等ーまたジョージア建国の父であり、ヴァルジアを作ったギオルギ3世とその娘タマル女王です。
マリア永眠教会(Church of the Dormition)
Church of the Dormition

Church of the Dormition
Church of the Dormition




抜け道

教会を左手に入っていくと、そこには小部屋があり、十字架の右手奥に続いていく階段があります。その階段は、教会の裏手側に続いており、さらに奥に続いていく道があります。階段の入り口にはasylum と書かれています。
ヴァルジア(Vardzia) 洞窟都市
ヴァルジア(Vardzia) 洞窟都市内部、教会の裏手側
そこからぐっと通路が狭くなり、ひたすら階段を上っていきます。高さがあまりないため、頭をぶつけてしまいそうです。狭いところが苦手な著者は、なんとも言えない圧迫感を感じましたが、とにかく階段を上っていく以外道はありません。
ヴァルジア(Vardzia) 洞窟都市
どこまで続くともしらない階段をひたすら登っていきます。
上がりきると、ようやく広い部屋にたどり着き、「運動」の後の絶景を楽しんだあとは、ひたすら急な階段を下っていきます。ここまでくると、出口はもう近くです。
ヴァルジア(Vardzia) 洞窟都市からの風景
ヴァルジア(Vardzia) 洞窟都市からの風景
洞窟都市や寺院は世界各地にありますが、現在も修道僧が生活しているという意味ではユニークであり、またこの遺跡の成り立ちを知るにつれ、ジョージアが過去の歴史の中絶えず戦いがあったこと、侵略する隣国に翻弄されてきたことを再確認します。

いるこの遺産は、過去数年に渡り落石を防止するネットの設置、安全性を確保して洞窟内部に観光客がアクセスできるよう修繕活動が行われてきました。今年ユネスコの世界遺産に推薦されました。世界遺産の登録へのプロセスは、自国内の暫定リストを作成し提出した後、暫定リストの中から条件が整った案件を世界遺産センターが受理、その後現地調査を行って決定されます。今後、さらなる審査が進み、ヴァルジアが世界遺産に登録される日も近いでしょう。

遺跡の中はアップダウンが激しいため、小さい子どもをつれた家族には不向きな観光場所ですが、年配の方や様々な国籍の人たちが訪れており、ジョージア観光でおススメの場所です。約1時間半から2時間が観光にかかる時間の目安です。是非、旅行の予定に含んでみてください。

ヴァルジア(Vardzia) 洞窟都市

入場料:大人7ラリ(学生1ラリ)
マイクロバス乗車運賃:1ラリ
(往路はふもとから、入口まで連れていってくれます。復路は徒歩です。)
ヴァルジアふもとのチケット販売所
ヴァルジアふもとのチケット販売所

ヴァルジアまでの行き方:トビリシ「ディドゥベ」のバスターミナルからヴァルジア行きのバスが出ているほか、旅行会社がツアーを組んでいるため、それに参加するのがよいでしょう。

同地区観光名所「ジョージアの古城ーラバティ城(Rabati Castle)in アハルツィヘ(Akhaltsikhe)

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