フィリピンのクリスマスの祝い方とは?バーマンス〜シンバンガビ〜クリスマス当日まで

クリスマスは、イエス・キリストの誕生日です。とはいうものの、実際は日時における詳細な記録はないと言われています。

ローマ時代にキリスト教が国教となってから祝われ始めたクリスマス、「Christmas」は、「Christ(キリスト)」と「mas(ミサ)」の合成語「キリスト(の生誕を祝う)祭り」です。

全国約80パーセントがカトリック、そしてプロテスタントを合わせると人口の90パーセント近くがキリスト教徒であるフィリピンでは、宗教的な意味から非常に大切な日であると同時に、海外で働く家族が帰国する時でもあるため、年に一度の家族団欒の時、とても特別な時でもあります。

そんなフィリピンで祝うクリスマス、バーマンス〜シンバンガビ〜クリスマス当日までをまとめました。

フィリピン クバオのクリスマスのデコレーション
そして、その周辺にできたクリスマス・マーケット。
クリスマスツリーがゴージャスです。

バーマンス(ber month)からカウントダウン

フィリピンでは9月~12月をバーマンス(ber month)と呼び、9月頃からクリスマスソングが聞こえてきます。ber monthはSeptember(9月), October(10月), November(11月), December(12月)の後ろ3文字から来ています。

9月、早い時には8月からクリスマスソングが聞こえて来たりするので、何とも気が早い気がしますが、クリスマスを待ち遠しく思う気持ちの故です。12月に入れば、民家や公共の建物がクリスマス用にライトアップされ、人工美でありますが美しいものです。

フィリピンでもクリスマスが商業化されているという感は否めず、また全ての人が教会に行くわけではないものの、宗教的意味合いは健在で、またあくまで家族イベントであることがフィリピンのクリスマスの大きな特徴だと思います。

クリスマスが待ちきれない♪ BerMonthに突入したフィリピン


Simbang Gabi(シンバンガビ)

シンバンガビとは「シンバ」は「ミサ」、「ガビ」は「夜」を意味するタガログ語/フィリピノ語、つまり「夜のミサ」を意味します。クリスマス9日前である16日から始まり24日まで、キリストの生誕を祝うべく特別な祈りを捧げるための朝3時から5時の時間帯の中で行われる早朝ミサです。

夜(ガビ)というか、朝(ウマガ)なのではと思ってしまいますが、まだ夜のように暗い早朝であるためシンバンガビと呼ばれています。

スペインの植民地時代に起源を持つこのシンバンガビは、国民の大多数が農民であり、日の出とともに働く彼らのスケジュールにあわせたもので、スペインに統治を受けた他の国でも見られるようです。スペイン語ではミサ・デ・ガリオと呼ばれています。ガリオとは雄鶏のこと。

9日間の祈りは「ノベナ」とも言われ、特別な願いを神に聞き入れてもらうために祈る信心業でもあります。

Nochebuena(ノッチェブエナ)

スペイン語でクリスマスイブを指すこの言葉の意味するところは、神様への感謝をしながら家族団らんで楽しむ伝統的なクリスマスイブのディナーです。腹ごしらえをして、深夜のミサにも参加します。近所では近年縮小気味になりましたが、それでも花火が上がります。

クリスマスのディナーの定番は、レチョンマノック(鶏の丸焼き)、ケソ・デ・ボーラ(ボール状の塩辛いチーズ)、フルーツサラダ、パンシット(焼きビーフン)、ケーキなどです。勿論、食べきれませんのでクリスマスから後3日ぐらいはそれらの残りを食べ続けます。日本のお正月のような感じです。

ケソ・デ・ボーラ
ケソ・デ・ボーラ


深夜のミサ

25日に変わる時間帯を前後して、ミサが行われます。そのミサに参加するために近所の教会に行きます。通常のミサ以上に混雑しています。そのため、自ずと立ったままミサに参加する人たちも。


近所の教会でのミサは座席の数が足りぬほどの人の数となります

クリスマス当日

フィリピンの一般的なクリスマスディナー

ミサに参加

クリスマスの深夜のミサに参加して、それから帰宅してまた食事というのが一般的です。つまり、夕食を食べてからミサに行き、それから帰宅して再び食事となります。

その夜ふかしと重たい食事のためクリスマス当日は少々遅めの起床。クリスマスミサを行う教会があれば、家族でミサに参加し、後は家でのんびり過ごすという家族も多いようです。

ショッピングモールで過ごす

ただ、このシーズンは会社勤めであればボーナスを頂いているため、買い物やレストランでの食事をたのしむためショッピングモールに行くという家族もおり、クリスマスのショッピングモールは大賑わいです。

著者はクリスマスに夫の姉家族と共にショッピングモールで映画を鑑賞したことがあります。クリスマスだというのに人が驚くほど多いショッピングモールは、お小遣いをもらった子どもたちが「自分のお金」で好きなものを購入する姿も多く見られました。

お年玉ならぬ「パマスコ(Pamasko)」

ちなみに、フィリピンには子どもが生まれ、カトリックの洗礼を受ける時にゴット・ファザー,ゴット・マザーなる人が両親によって指名され、洗礼を受けた子どもたちの育成を見守るわけですが、クリスマスになるとその子どもたちは彼らを挨拶してまわります。
その時に子どもたちはお小遣いやギフトをもらったりします。それらをパマスコと呼びます。

クリスマス翌日から年末にかけて

翌26日は、クリスマスボケが収まらないままにお勤めという人も多いようです。
そして、クリスマスから年末、年始を前後してマニラから地方へ帰る人の流れは通常の数倍にもなります。著者も地方にこの時期に帰省する際はバス・チケットを予約して購入します。

クリスマスが過ぎ、年末のカウント・ダウンが始まりました。今年をどう総括し、来年をどんな年にしたいか、じっくり考え書きだしていこうと思います。

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